オックスフォード大学の研究チームが、心の中で明るいものを想像しただけで瞳の大きさが変化することを発見した。
研究論文は10月21日付けで「PNAS」に掲載されている。
暗い場所において、私たちの瞳はより多くの光を取り込もうと大きくなります。それとは反対に、明るい場所では小さくなります。
瞳の大きさを変えるには、眼科医が検査の際に用いる散瞳薬(患者の瞳孔を開くために使う目薬)などの化学物質を除くと、私たちはその環境下の光量を変えることしかありません。
しかし、オックスフォード大学の研究チームが心の中でイメージするだけで瞳の大きさが変化することを発見しました。
研究チームは男女22人の被験者に対し、暗いパッチと明るいパッチを見せるという実験を行いました。また、それぞれのパッチは特定の音に関連づけられて見せられました。
被験者が特定の音とパッチが関連することを学習した後、特定の音をランダムに聴かせ、それに対応するパッチをイメージすることを促しました。
その結果、被験者たちはただ暗いパッチを想像しただけにも関わらず、瞳が大きくなることが確認され、明るいパッチを想像した際にはその逆のことが起こったのです。
これは、瞳孔が実際に明るい物体や暗い物体を見せられたときに現れる反応と同様のものであり、想像によって瞳の大きさが変化することが明らかとなりました。
「目は心の窓」ということわざのように、私たちの明るさに関する心の内が瞳によって漏れ出ていることが明らかとなったのです。
reference: ZME science