エジプト政府は23日、首都カイロ近郊のサッカラで、先日発見された古代遺物を公開しました。ギザの三大ピラミッドの南に広がる古代の埋葬地サッカラで今回出土した物には木像とブロンズ像が合わせて75体と古代エジプトの神聖文字の装飾が施された幼いライオンのミイラ5体が含まれています。
他の遺物とともに発見されたこれらのミイラは保存状態が良く、ほかにネコ、コブラ、ワニ、スカラベ(古代エジプトで神聖視されたコガネムシ科の昆虫。別名フンコロガシ)のミイラもありました。
エジプト考古省の発表によると、遺物はサッカラにあるバステト神殿跡から発掘されたということです。バステト神殿はネコを崇拝するために古代エジプト人が供物を捧げる場所でした。
ハーリド・エルエナーニー考古相は今回の発掘が「博物館一つ分」を発見したようなものだと述べています。
また、初期調査によって5体のミイラが幼いライオンの可能性があることも明らかにされました。
出土品にはほかに、聖牛アピス、マングース、トキ、ハヤブサ、ジャッカルまたは犬の姿をまとった古代エジプトの神アヌビス、それぞれの像もあります。
また、これらの発掘物は紀元前7世紀に遡る第26王朝のものだとエルエナーニー考古相は述べています。
古代エジプトの神々の像としては、冥界の神オシリスを表す青銅の小像73体、ハヤブサの姿をした融合神プタハ・ソカルの木像6体、戦いの女神でありながら治療にも関わるセクメトの像11体などがありました。
近年、エジプトは政情不安と治安悪化によって国の生命線である観光セクターが打撃を受けてきたことから、これを再生させるために同国特有の歴史的遺産を宣伝することに力を入れています。
しかしながら、同国の古代遺跡や博物館の維持管理が適切に行われていないことを批判する声も少なくないのが実情です。
reference: sciencealert