宇宙という空間は恐ろしく広大で、何兆もの恒星、そしてそれ以上の数の惑星が存在しています。 そうなれば、私たち以外にも生命は存在しても全くおかしくないはずです。
今回は、その疑問について海外の科学系YouTubeチャンネル「Kurzgesag」の解説を紹介します。
現在観測できている限り、宇宙の半径は900億光年であり少なくとも1兆の銀河が存在。さらに、それぞれの銀河に1兆の星々があると考えられています。
惑星も珍しいものではなく、生命が住める惑星も数多く発見されています。それらに、生命の存在する可能性は示されていますが、未だその痕跡は発見されていません。
なぜ宇宙人は見つからないのでしょうか。
宇宙人が別の銀河系にいるのなら、それを知るすべはありません。
私たち天の川銀河の外の銀河系は、永久に届かないくらい遠い場所にあります。光速で向かったとしても到着に何十億年を費やさなくてはなりません。
私たちがいる天の川銀河に話を絞りましょう。ここには4兆もの星があります。
天の川銀河には恒星が約200億個あり、その5つに1つには生命にとって良い条件を持っている惑星があると推測されています。
その星の0.1%にでも生命が存在すると、100万もの惑星に生命がいることになります。いや、さらにあります。
天の川銀河は130億歳。初期は爆発が多かったため不可能とはいえ、銀河誕生の10億年後からは惑星が存在していました。地球は40億歳のため、過去には多くの機会があったはずです。
1つでも高度な文明に育っていれば、遭遇することができるかもしれません。
それはどんな文明なのか、3つのタイプがあります。
タイプ1の文明は、惑星の全エネルギーを使えるレベル。人類は現在0.73ほどの文明であり、200年後にはタイプ1に到達するでしょう。
タイプ2は恒星系の全エネルギーを使えるレベル。SFのような話が現実化していることでしょう。ダイソン球という概念では、太陽を構造物で覆うことで発電を可能にする。
タイプ3は銀河全エネルギーを使えるレベル。それは私たちには神のように見えるだろう。
宇宙人がいれば何が起きただろうか。
1000年乗ることのできる宇宙船を発明し、他惑星に移住していけば200万年で銀河全体を支配できる。長い時間だが、宇宙からすれば一瞬のこと。
全体を植民するのに必要な時間が200万年ということは、知能さえ持てればその時間はたっぷりあったはず。しかし、宇宙人は見当たらない。
これがフェルミのパラドックスである。
考えられる理由はフィルターだ。フィルターとは生命が超えられない壁のことで、さまざまな度合いがある。
その1は私たちがすでに乗り越えた壁。生命に進化は実に困難という説だ。生命の発生過程はまだ未解明であるが、実際のところ複雑なのかもしれない。
昔の宇宙は環境が厳しく、最近にして生命が誕生した可能性もある。その場合、私たちは最初に文明を築いた存在なのかもしれない。
その2は私たちがこれからぶつかる壁。これは良くない話で、文明が高度に発達してもある段階で崩壊してしまうという説だ。
たとえば、高度な文明であれば星も破壊できるだろう。文明は最終的にこう結論づける”このボタンを押せば全て解決だ”
これが真実なら私たちは終わりへと近づいている。
または最古のタイプ3の文明が、発達した文明が現れ次第破壊しているのかもしれない。世の中知らない方がいいこともありうる。何かは知らないが。
私たちだけの可能性もありうる。
まだ生命の証拠は見つかっていない。宇宙に私たち以外の生命は存在せず、メッセージが来ることもない。私たちは完全に孤独な暗闇に包まれた存在なのか。
もし私たちが死ねば、宇宙の生命もいなくなる。もしそうなのであれば、我々がタイプ3の文明となって、生命を持続させて可能な限り生き続けるべきなのではないだろうか。
宇宙はこんなにも美しいのだから。