ロシアの宇宙機構ロスコスモスの発表によると2023年に観光客2名を国際宇宙ステーション(ISS)に送る計画があり、うち1人は宇宙遊泳を体験できるとの事です。挑戦者は宇宙で無限に広がる真空を体験する初の民間人として、宇宙観光が新たな時代を迎える先駆けになります。
この旅行はロシア有人飛行開発の中心となった宇宙船製造企業、エネルギア社によって実現可能となったものです。エネルギアはロシア製宇宙船で7人の観光客をISSに送った実績を持つ米国企業スペース・アドベンチャーズと数日前に契約を結んでいます。
スペース・アドベンチャーズ社はこのユニークな経験に対する料金を公表していませんが、数千万から数億ドル(数十億から数百億円)の範囲となる見込みです。先月米国内から有人ロケットが打ち上げられましたがこれはほぼ10年ぶりのことであり、NASAはこれ迄宇宙飛行士をロシアのソユーズ宇宙船でISSに送るため一人あたり8千万ドル(86億円)を支払っていました。
参加希望者は適性診断を受け、選定されればロシアのスターシティー基地で6か月の訓練を受けた後に軌道上へと出発します。観光客はロシア人の宇宙飛行士と共に90分の宇宙遊泳を体験、その後1週間ISSに滞在して遊泳に関連したさまざまなアクティビティーに参加することとなっています。
他にも数多くの企業が観光客を宇宙へ送る計画を進めています。例えばスペースX社は先頃アメリカ人飛行士を初の商業有人飛行で宇宙ステーションに送り届けた歴史的な宇宙船クルー・ドラゴンを使い、来年にもISSに民間人を送る計画です。スペースXは月を周回する観光ツアーも2023年に計画しており、宇宙観光分野にとっての画期的な年となりそうです。
もし宇宙飛行士として訓練を受けでもしない限り法外な費用がかかると思うのなら、宇宙飛行船に乗ってみてはどうでしょう。わずか12万5千ドル(1,350万円)で地上30kmの成層圏へ行って来られますよ。
reference:iflscience