天文学者たちがアメリカ国立科学財団にあるダニエル・K・イノウエ・ソーラー望遠鏡で観察した『夜明け』を発表しました。研究チームはかつてないほどに詳細を映した太陽の全く新しい画像と動画を公開しました。そこに映し出されていたのは30kmほどの小さな構造物でした。
この功績は直径4mの鏡のおかげにほかなりません。この鏡があったからこそ世界最大のイノウエ・ソーラー顕微鏡が生まれたのです。それでも太陽の観測は簡単なことではありません。メインミラーは13キロワットの電力を集中させることで驚く程の高温を発生させます。機器を高熱から守るための冷却を可能にすることで観測を可能にしました。20年の月日をかけてようやく成功したのです。
「アメリカ国立科学財団は地上望遠鏡で観測を始めて以来、この初の画像を待ち望んでいました。」と同財団のディレクターを務めるフランス・コルドヴァ氏は声明を出しています。「やっと画像や動画をシェアすることができ、今までで最も詳細な太陽の姿を見ることができます。」同財団のイノウエ・ソーラー望遠鏡によって地球生命体に影響をあたえる太陽フレアが起こる場所である太陽コロナにある磁場をマッピングすることができます。」この望遠鏡のおかげで何が宇宙天気に影響しているのかを理解することができ、ゆくゆくは太陽フレアを予測することが出来るようになります。」
ソーラー望遠鏡による未来観測によって太陽の外層が時間とともにどう変化するか、またその奥深くで起こる磁気プロセスが明らかになりなるでしょう。そうすれば研究者たちは私たちの星についてより理解を深め、私たちにどんな影響があるかを知ることができます。太陽フレアの予測はまだできる段階ではありませんが、望遠鏡からのデータを集めていけばいつか予測に役立つことでしょう。
「今回公開した初の画像は始まりに過ぎません。」とアメリカ国立科学財団の設備建設と操作を監督しているプログラムディレクター、デヴィッド・ボボルツ氏は話しています。「6か月後には科学者、エンジニア、技術者から成るイノウエ・ソーラー望遠鏡チームは望遠鏡を国際ソーラーサイエンスコミュニティで使えるように観測を実験と試運転を続けていきます。イノウエ・ソーラー望遠鏡は、ガリレオが1612年に初めて望遠鏡を太陽に向けて以来今まで集めた全データをしのぐ情報量を最初の5年で収集するでしょう。」
この望遠鏡は故イノウエ上院議員の名前から付けられました。イノウエ氏はハワイで1963年から2012年まで上院議員を務めたアメリカ史上最も高位についたアジア系アメリカ人政治家でした。
reference:iflscience