幻覚作用のあるヒキガエルの分泌液を吸引する儀式の最中に男性が死亡

幻覚性のあるカエルの毒を吸引することを含めた『秘密の儀式』の最中に男性が死亡したことで、あるポルノ女優は故殺の罪に問われています。

Credit:Pixabay

スペイン出身のポルノ男優でプロデューサーのナチョ・ビダル、従業員、家族の一人がファッション写真家のホセ・ルイ・アバドさんの死亡に関与したとして2019年7月バレンシア南東部で逮捕された、とスペインのオンラインコミュニティサイト  La Vanguardiaが報じました。報道によると、アバドさんの薬物依存を克服するために行われたシャーマンの儀式の最中に死亡したようです。

「コロラドリバーヒキガエルの毒を吸引するという秘密の儀式の最中に被害者が死亡したことを受けて警察は捜査を始めました。」と警察は声明を出したことを La Vanguardiaは報じています。

「儀式を組織し、主宰した人たちによる過失致死の罪と公衆衛生違反があったことを立証することができました。」

コロラドリバーヒキガエルはメキシコ北部やアメリカ南西部に生息しています。主な防御メカニズムとして5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)という成犬殺傷能力のある幻覚剤を生成する腺を持っています。

流行りの幻覚作用のあるドラッグメンタルヘルスの自然療法として人々はこのカエルの分泌物を使うようになりました。米国中毒センターはこのカエルの毒はアワヤスカやメスカリン、マジックマッシュルームに相当すると述べています。かつてはカエルを直接舐めて毒を摂取することが一般的でしたが、現在はカエルから抽出した液体を乾燥させて粉状にして吸引するのが一般的です。メキシコのシャーマンは何十年も前からこの毒を使用してきました。

この幻覚剤は即効性があり、平均して20分程度効果が持続し、宗教的な体験ができると言われています。

「効果が強いため、パーティーでの使用は安全とは言えません。娯楽としてのドラッグではないのです。もし摂取してハイになりすぎると『ホワイトアウト』状態となり、心と体から分離します。」と臨床心理士でジョンズ・ホプキンズ大学の幻覚研究所准教授のアラン・K・デービス氏は中毒センターに話しています

スペイン警察は、この毒物の使用は知られている以上に危険で、『影響を受けやすい人たち』に病気や中毒を治療するために販売されていると声明の中で警告しています。「治療や薬効を目的として一般的に使われてきましたが、無害な伝統儀式であるように装って見せているにもかかわらず、公衆衛生上深刻な脅威をもたらします。」

コロラドリバーヒキガエルを不安障害ストレスなどの治療としての可能性が研究されていますが、臨床以外では推奨されていません。

報道によると、ビダル被告はこの毒を使った経験を語った動画をYouTubeに上げており、視聴者に向けて「神を見た。聖杯を交わしたからみんなに見て欲しい。」と語り、さらに「カエルの毒で死んだんだ、死を見たよ、怖くなんかない。」と話していたそうです。

ビダル被告は、アバドさんは自分の意思で毒を摂取して心臓発作を起こして死んだと主張を続けています。

「ナチョ・ビダル被告はアバドさんの死に心を痛めているが、彼は無実だと考えています。」と担当弁護士は話し、「故人やその家族には恐縮ですが、毒物の摂取は完全に自発的なものでした」とも語っています。

reference:iflscience



最新ニュース40件