2008年にオーストラリア、クイーンズランド博物館とグリフィス大学の爬虫両生類学者ポール・オリバー氏により、インドネシア、ニューギニア島の森で発見されたあるカエルが、このたび正式に新種登録された。
その名は通称「ノーザンピノキオガエル」といい、学名では「リトリア・ピノッキオ(Litoria pinocchio)」とされている。
このカエルのオスは名前の通り、ピノキオのようにちょこんと伸びた鼻を持つ。さらにその鼻に勃起性があるという驚くべき特徴を持っているのです。
ピノキオガエルは、オーストラリアのクーンズランド博物館及びグリフィス大学の研究者より発表され、動物分類学の学術誌Zootaxaに掲載されている。
Two new species of treefrog (Pelodrydidae: Litoria) from southern New Guinea elucidated by DNA barcoding
https://biotaxa.org/Zootaxa/article/view/zootaxa.4609.3.4/45562
ピノキオガエルのオスの鼻には勃起性があるため、まっすぐに立っていることもあれば、だらんと下を向いていることもあります。非常に精巧な器官であるため、何らかの目的があるに違いない。
人間であれば、勃起性という機能は生殖を行うために用いられていると思うが、ピノキオガエルが鼻で生殖をしている痕跡は全くみられません。
では、大きい鼻がモテの象徴であるテングザルのようにメスを惹きつけるものかと考えられたのですが、これもまた違うようです。鼻に角のあるカエルの繁殖期の合唱を研究した生物学者らは、メスの相手をするオスの角の変化に、何のパターンも見られなかったと述べています。メスにアピールするためにあるのであれば、何らかの関連はあるはずですよね。
現状で最も有力視されているその目的は、種を見分けるための目印にしているのではないかとされています。ピノキオガエルが発見されたニューギニア島には450種類以上のカエルが生息しており、世界のどの島よりもたくさんの種のカエルが生息しているためです。
まだまだ仮説であるため、真相はいつの日か明らかになることでしょうが、この地球に存在する様々な特徴を持つ生物に興味が尽きないですね!