アメリカ食品医薬品局(FDA)は、 大うつ病性障害(MDD)を治療するために、マジックマッシュルームと呼ばれるキノコの幻覚物質であるシロシビンを研究し、MDD症状の回復を早めるのに役立っています。
アメリカ食品医薬品局は、現在臨床試験でテスト中の1年に2度のシロシビン療法実施が「画期的な治療法」とし、医薬品開発とそのプロセスを治療による回復を早めることを目的としています。
アメリカ食品医薬品局によると、この療法は通常、製薬会社によってリクエストがあり、かつその他の薬物よりも、絶大な回復力が見込めるという根拠がある場合のみに、使用されるそうです。
昨年、重度の治療抵抗性うつ病を治療するシロシビンの研究を進めている会社、コンパス・パスウェイズは、2つの異なる抗うつ薬治療を受けた後に回復できなかったうつ病患者についてをシロシビン療法を推奨しており、アメリカ食品医薬品局は、それを「画期的な治療」として認証しました。
現在、アメリカ食品医薬品局は、非営利団体ウサナ研究所が実施した、アメリカでのシロシビン臨床試験のサイケデリック治療(心の有益な探索を助けるための幻覚剤の使用に関わる治療的な行為)に、「画期的な治療」と認証するための段階を踏んでいるといいます。
この臨床試験は、米国内の7つの異なる場所で、80人の参加者がおりMDD患者への1回のシロシビン療法での有効性に焦点を当てています。
現在、アメリカには大うつ病、または2週間以上続く重度のうつ病を持つ人が1700万人以上のいるといいます。シロシビンは、1回の投与で脳に大きな影響を与え、うつ病の症状を一掃した後に長期的な影響を及ぼす可能性があります。
ニューアトラスによれば、フェーズ2の臨床試験は2021年初めに完了する見込みです。れが認証されれば、大規模なフェーズ3の臨床試験が、その後すぐに行われると予測されています。ニューアトラスによると、画期的な治療としての認証がすでにあった3つの治療のうち1つが、マーケットでの承認を得るための段階へと移行したことが明らかになっています。
「本当にすごいのは、治療抵抗性うつ病患者の人口がとても少ない中で、MDDに必要なニーズを提供し、シロシビン療法により臨床的改善を見込めるという臨床結果がでたこと、そしてそのFDAの正当な認証です。」と、Usonaの臨床および翻訳研究のディレクターであるチャールズ・レーソン博士は、述べています。
精神科がうつ病の治療について研究されたのは、これが初めてではありません。3月、FDAは、ケタミンに関連する物質であるエスケタミン(違法な当事者薬としても使用されている麻酔薬)に基づく治療耐性患者に対しての鼻スプレーうつ病治療を承認しました。
この承認された薬の多くが、速効性があると言われているものの、その効果が明確には分かっておらず、エスケタミンが実際にどのように脳を変化させ、長期的な影響はどうなのかなどについては、まだ不明のようです。
reference: livescience