NASAの系外惑星探査衛星「TESS」が、地球から31光年先に3つの系外惑星を発見。このうちの一つには生命が存在できる環境が整っている可能性が高い。
研究結果は7月31日付けで、天文学誌「アストロノミー・アンド・アストロフィジックス」に掲載された。
3つの系外惑星はすべて、赤色矮星「GJ 357」の周りを周回している。NASAの系外惑星衛星でケプラー宇宙望遠鏡の後継機でもある「TESS(トランジット系外惑星探査衛星)」により、トランジット法を用いて観測された。
トランジット法とは、惑星が主星(今回ではGJ 357)の前を通過するときの光度の変化を利用して観測する方法である。
今回発見された系外惑星は、「GJ 357b・GJ 357c・GJ 357d」の3つなのだが、GJ 357bは、地球より22%大きく質量も80%上回っている。そして、その平均気温は摂氏254度にも達するため、とても生命が住める環境ではない。
また、GJ 357cは少なくとも地球の3.4倍の質量を持ち、平均気温が摂氏127度と、これまた生命の存在は期待できそうにない。
しかし、GJ 357dは少し話が違うようである。
GJ 357dは地球の6.1倍の質量で2倍近い大きさ、55.7日の周期で主星の周りを公転している。さらに、液体の水が存在できる、もしくは地球と似た生命が存在できるハビタブルゾーンに属しているのだ。
GJ 357dは、火星が太陽から受け取る恒星エネルギーと、ほぼ同じ量のエネルギーを主星である「GJ 357」から受け取っており、熱を十分に閉じ込めることのできる厚い大気層を保有している場合には、生命が存在している可能性が高いと考えられている。
それとは反対に、GJ 357dに十分な大気が存在していない場合、生命の存在は期待できそうにないだろう。
研究チームはこれから数か月の間に、GJ 357dが生命の存在が可能な惑星であるかどうかを確認する予定であるそうだ。今後の続報に期待しよう。
reference:NASA