この宇宙には、少なくとも1000億〜2000億もの銀河系が存在しています。それだけ数が多ければ、中にはおかしなものも混ざっているでしょう。クラゲのような銀河、他の銀河を食い漁る銀河など…
巨大な円盤状の銀河である「MACS 2129-1」は天の川銀河の2倍以上のスピードで回転していますが、その活動は活発ではありません。ハッブル宇宙望遠鏡でこの銀河の観測を行なったところ、約100億年もの間星を作っていないことが分かっています。
そのため、MACS 2129-1は死んだ銀河とされています。この銀河で星生成が止まってしまった理由は不明だが、銀河中心の活動的なブラックホールの影響などが考えられています。
2018年に米イェール大学の研究チームが、6500万光年先に発見した「NGC 1052-DF2」という銀河はかつて見たことのないほどダークマター(暗黒物質)が存在しません。
しかし、別の方法で計測したところ、この銀河が実際にはより近い4200万光年先の場所に存在するという結果が出ました。約6500万光年という距離に依拠した間違ったパラメーターを用いていたために誤った結論が出されたのです。
ゾンビ銀河は元気がありませんが、それとは正反対に元気いっぱいの銀河が存在します。地球最大の隣人であるアンドロメダ銀河は、少なくとも100億年の間、小さな銀河を食い尽くしてきました。
さらに、45億年後にはアンドロメダ銀河と我々の住む天の川銀河が衝突して合体することが予測されています。その頃、地球は巨大化した太陽に熱せられるか、飲み込まれるかの運命を迎えているため、そのイベントを見ることはできません。
地球から3億光年離れた場所に、巨大なオタマジャクシが宇宙空間を泳いでいます。このオタマジャクシ銀河はしっぽの部分だけでも50万光年ほどあり、それは天の川銀河の10倍。
この巨大な「オタマジャクシ」は小さな矮小銀河の崩壊によってできたもので、数十億年のうちに周辺のいくつかの銀河と合体して、単一の銀河を形成します。
W2246-0526という銀河は、観測されている中で宇宙でもっとも明るい銀河です。その明るさは太陽の350兆倍とされており、宇宙に存在する銀河すべてを地球から同じ距離に置くことができれば、「W2246-0526」が最も明るく見えるそうです。
「W2246-0526」の中心部に存在する超大質量ブラックホールが、他の銀河からガスやチリを盗み取ることで、この輝きを作り出せています。
おおいぬ座の方角に地球から約1億2000万光年離れた位置にある銀河「IC 2163(右側)とNGC 2207(左側)」は巨大な目で宇宙を覗き込んでいるように見えます。
2つの渦巻銀河からなる相互作用銀河で、NGC 2207は、IC 2163の潮汐作用による分裂の渦中にあります。2つの目のように見える時間は、残り数千万年しか続きません。
あなたが銀河であるならば、最後には他の銀河を吸収するか、死を迎えるかの2択となります。NGC 1277という銀河は後者を選択しました。
この銀河は誕生後、現在の天の川銀河の1000倍も速く星形成活動を行っていましたが、ある時突然星形成が止まってしまいました。天文学者たちは、NGC 1277が宇宙空間を高速で移動しており、引力で他の銀河を食い尽くすことができないため、発育が妨げられたと考えています。
天文学者が観測するほとんどの銀河は、宇宙がまだ拡大しているため、地球から遠ざかるように見えます。しかし、6000万光年先にある「Messier 90」という銀河はこちらに向かっています。
この銀河のスペクトルは、青方偏移を起こしていて、珍しいことに我々の銀河に向かって近づくように移動しています。
Messier 83は天の川に似た棒状の中心を持つ、巨大で写生的な渦巻銀河です。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した写真では「南の回転花火銀河」の呼称にふさわしく、いたるところに赤い星形成領域が写っています。
活発な星形成は数多くの超新星爆発にもつながっていて、これまでに1923A、1945B、1950B、1957D、1968L、1983Nと6つの超新星が見つかっています。
「ESO 137-001」はさんかく座の方向にあり、星の海の中を泳ぐクラゲのように見えます。この銀河は1時間に約700万km移動しているため、高温のガスを剥ぎ取られて26万光年もの長い尾を形成しています。
ESO 137-001から流れ出るガスは1億℃にも達し、これは暑すぎると考えられており、そのプロセスは謎となっています。
reference: livescience