天文物理学者らは月曜、史上最大級の宇宙3Dマップを公開し、400万以上の銀河や超高輝度でエネルギーに満ち溢れたクエーサーの分析結果を示しました。
30もの研究施設から集まった数百人の科学者たちの努力によって『宇宙の膨張の完全なストーリー』を書き上げた、とカナダオンタリオ州ウォータールー大学のウィル・パーシヴァル氏は話しています。
このプロジェクトは20年以上前に立ち上げたもので、研究者たちは『かつてない広い範囲の宇宙時間を通して最も正確に膨張の歴史を測定したものだ』と声明を出しています。
このマップは、スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)プロジェクトがニューメキシコで6年以上にわたって光学望遠鏡で集めたデータ『バリオン振動分光調査』(eBOSS)をもとに作成したものです。
ビッグ・バン後に生まれた子宇宙は理論モデルや宇宙背景マイクロ波放射-初期の宇宙の電磁波-を通して比較的よく知られています。
しかし、月曜にマップを公開したユタ大学のカイル・ドーソン氏が言うには、研究者たちは『110億年間の中間にあるやっかいなギャップ』に取り組んだそうです。
『5年間の継続観測』を通してこのギャップを埋めることに取り組んできました。この情報を使うことでここ10年間の宇宙論が実質的進歩に貢献したのです、と彼は語っています、と彼は話しています。
ローザンヌにあるスイス連邦工科大学(EPFL)宇宙物理学者で2012年にeBOSS調査を開始したジャン・ポール・ニーブ氏は、『宇宙の一生全体の完全な3Dマップ』が目標だと語っています。
研究者たちは初めて『遠く離れた宇宙、活発に星やクエーサーを形成する銀河に物質分布を示す天体』を利用しました。
このマップには物質フィラメントやたったの38万年前に誕生した宇宙の構造をより正確に定義したボイドが示されています。
研究者らはマップの60億年前の宇宙に関する部分に最古で最も赤い銀河を観測しました。
もっと離れた年代では、最若の銀河、つまり青い銀河に的をしぼりました。さらに年代をさかのぼるために、クエーサーや中心部分が非常に明るい銀河を使いました。
このマップによって宇宙の膨張はある地点で加速し始め、今もなお加速し続けていることがわかります。
研究者たちは、アインシュタインの一般相対性理論にあてはまる目に見えない素子であるダークエネルギーの存在が加速の原因だろうと話していますが、その起源はまだ理解できていません。
天文学者は何年も前から宇宙が膨張していることは知っていましたが、正確な膨張率を測定することはできていません。
eBOSSの観測と最近の初期宇宙の研究を比較すると膨張率の概算が一致しないことがわかりました。
現在採用されている『ハッブル定数』で計算した膨張率は、最も近い銀河間の距離からの算出値よりも10%遅いのです。
reference:sciencealert