地球から110光年先にある太陽系外惑星「K2-18b」の大気中に水蒸気が確認された。これまで発見された太陽系外惑星の中で、岩石でできた表面と水を含む大気の両方を持つことが確認されたのはこの惑星が初となる。
研究の詳細は、9月11日付けで科学誌「Nature Astronomy」に掲載された。
「K2-18b」は地球から110光年先にある地球型惑星で、大きさが地球の2倍、質量が地球の8倍のスーパーアースに分類される。この星の存在自体は2015年にケプラー宇宙望遠鏡によって発見されていた。
そして、今回「K2-18b」の大気中で水蒸気が発見されたのである。ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)のアンゲロス・チアラス氏率いる研究チームは、2016年と2017年にハッブル宇宙望遠鏡が収集した分光データを基に、K2-18bの大気を通過した星の光をオープンソースのアルゴリズムを用いて分析。その結果、水蒸気の痕跡を確認した。
水蒸気の正確な量はまだ明らかではないが、濃度が0.1~50%なのではないかと推測されている。地球大気中の水蒸気の濃度は、0.0〜4%ほど。
水蒸気の存在が確認されたからといって、表面に海があるというわけではない。しかし、その可能性は十分に考えられるという。
また、「K2-18b」は適切な気温と、大気、そして水も持つという我々を含む生命に適した条件のように思われる。だが、強力な紫外線が地表に降り注いでいると見られている。
「K2-18b」の主星は、赤色矮星である。赤色矮星は太陽などの星よりも非常に暗い恒星で、ハビタブルゾーンが比較的主星に近い位置となる。そのため、地球が太陽から受けるよりもはるかに高いレベルの紫外線が降り注ぐのだ。
とはいえ、人類の居住先として有望であるとみている科学者も存在し、紫外線耐性を獲得した生命が繁栄している可能性も考えうるだろう。
reference: space.com, the guardian