アフリカのタンザニアには、血のように赤く染まり「ナトロン湖」と呼ばれる不思議な塩湖が存在する。何とここでは、動物たちが石化しているのである。
動物たちがなぜ石化しているのか、その鍵は塩湖の水にある。ナトロン湖の水には、高濃度の炭酸ナトリウムや塩化ナトリウムを含むため、何らかの理由により湖で命を失った動物たちは完璧な保存状態で石灰化されてしまうのだ。
また、ナトロン湖のpH値は9〜10.5でアンモニアに近く、水温が60度に達することもあるそうだ。
以下の写真は、写真家のNick Brandtが湖の岸に流れ着いていた動物たちを元の生きていた時の姿を再現して撮影されたもの。とてつもなく恐ろしい世界が、映し出されている。
地獄のような湖であるが、この環境で生活する鳥が一種のみ存在する。世界の総個体数の75%にあたるフラミンゴはこのナトロン湖に生息するのだ。
フラミンゴは硬い皮膚を持つおかげで、ナトロン湖の過酷な水に耐えることができる。我々からすると、とても住める環境ではないが、フラミンゴにとってはユートピアのような場所なのである。