フランス・グルノーブル大学などの研究チームが、四肢に麻痺のある男性が脳波でコントロールするパワードスーツによって歩くことに成功したことを発表した。
研究論文は、医学誌「The Lancet Neurology」に10月3日付けで掲載されている。
夢のような研究の第一人者となったのは、フランス・リヨン出身の28歳男性であるティボーさん。彼は4年前にナイトクラブのバルコニーから12メートル落下して脊髄を損傷し、肩から下が麻痺をする障がいが残っていた。
そのため、歩くこともできない状況で生活し、苦労を感じていた。そこで、フランス・グルノーブルアルプス大学やメディカル企業・Cinatech、CEAリサーチセンターなどが協力して研究を開始。
研究いチームは頭皮と脳の間に2つのセンサーを移植。このセンサーは被験者の動きと感覚をつかさどる「感覚運動皮質」の活動を記録する。
また、脳に移植するセンサーは従来のものとは異なり、センサーを脳に直接埋め込むタイプではないとのこと。
そして、ティボーさんはコンピューター・ゲームのアバターを操作する訓練を何カ月も練習した。その結果、自らの脳信号によってゆっくりとではあるが、歩くことに成功したのだ。
この研究が進めば、歩くのが不自由な身体障がい者や高齢者などが、脳で考えただけでストレスなく歩けるようになることが期待されている。
実用化はまだ先のことではあるが、革新的なブレイクスルーがすぐそこまでやってきていることは間違いない。
reference: Mashableasia, bbc