米リッチモンド大学の研究チームが、ネズミに運転技術を習得させたところ、車の運転を学習することでストレスが軽減されることが判明。また、野生のラットは実験室のラットよりも学習に優れていることがわかった。
研究論文は、10月16日付けで「Behavioural Brain Research」に掲載されている。
ネズミは小さな見た目に反して、私たちが想像する以上の知能を持っています。
今回、米バージニア州にあるリッチモンド大学のケリー・ランバート氏率いる研究チームが、ネズミに小さな車の運転を習得させるという実験を行いました。
ランバート氏らの研究チームは、透明なプラスチック製容器とアルミ板を用いた運転席を取り付け、前方の左側、中央、右側にそれぞれ水平に銅線を渡しました。
それぞれのペダルを踏むことで直進・右旋回・左旋回を行うことができるという仕組みです。
そして学習意欲を持たせるために報酬としてシリアルを与え、17匹のネズミに数カ月に渡って訓練を行うことで、ミニチュアカーの運転を習得させました。直進や、旋回などの複雑な技術も覚えることができたとのこと。
また、自然に近い環境で育ったネズミは実験室で育ったネズミと比較して、はるかに上手に運転できるようになったそうです。ランパードさんはこの結果、を予想していましたが、想定以上の学習能力の乖離に驚いたと言います。
さらに研究チームは、運転技術を習得した後にネズミの排せつ物を採取し、抗ストレスホルモンのデヒドロエピアンドロステロンなどを測定しました。
すると訓練を行なった全てのネズミでデヒドロエピアンドロステロンの上昇が見られ、運転技術の習得によってネズミがリラックスした状態にあることが明らかとなりました。
比較するために遠隔操作でネズミの乗った車をシリアルのある場所まで移動させたところ、自主的に運転したネズミの方がデヒドロエピアンドロステロン高く、よりリラックスしていたことも確認されました。
ランバート氏は今回の実験に対して、「仕事が精神的なストレスを和らげる効果もあるということを示す」と語っています。
reference:IFLscience