世界の多くの国や地域では、女性に比べて男性の方がいまだに優位な立場にあります。しかし、ロシアでは違います。この国では女性の方が男性より1,000万人も多いのです!
ロシア連邦国家統計局(Rosstat)の2018年の統計によると、ロシアには約7,880万人の女性がおり、これに比べて男性は6,810万人と1,000万人以上も少ないことが分かっています。
2036年までにロシアでは極東部にあるチュクチ自治管区以外のすべての地域で女性の数が男性の数をほぼ上回ると同局は予測しています。
この数字には驚きますが、1世紀ほど前の1897年に国勢調査が始まって以来、残念ながら、この国では男女数の不均衡は常に問題となってきました。
1897年の国勢調査では、女性が3,380万人、男性が3,210万人と記録されているのですが、以来ずっと、この差は開き続けてきたようです。
さらに、男女の産み分けが男女数の不均衡の要因であるアジアの国々とは異なり、ロシアでは戦争、および、女性より男性の方が罹患しやすい感染病が男女の人口差の要因となっています。
ロシアの女性の人口は第二次世界大戦の開始時から増え始めました。当時は、女性100人に対して男性が91.9人という割合でした。
内戦、飢饉、ソ連の「恐怖政治」といった壊滅的な重大事がこの国を襲う中で男性の数が減り続けました。
第二次世界大戦の間のみでも、2,500万人のロシア人兵士の命が失われました。兵士は全員、男性でした。
この戦争により、ソ連の男女数の差はいっそう拡大し、その割合は女性100人に対して男性81.9人となりました。
毎年、出生数においては男児が女児を上回っているのですが、男児の方が感染症や致命的な合併症にかかりやすいと言います。
Pass Blueによると、女性が優勢な人口の典型的な要因は受胎能力、移住、死亡率にあるとJens-Hagen Eschenbaecher氏(国際連合人口基金、東欧・中央アジア局の地域コミュニケーション・アドバイザー)は述べています。しかし、ソ連から独立した国の多くでは、男性が若くして亡くなることが主要因となっています。なかでも、蔓延している飲酒、喫煙、自殺、心臓疾患や循環器疾患、飲酒関係やその他の事故による、40歳以上の男性の死亡が顕著です。
現在既に、ロシアでは労働人口において女性が男性を上回っています。女性の労働人口の72%が公務員として働いている現状にあります。
reference:goodtimes