インドで行われた違法チキンファイト(闘鶏)で起きた観客の死が注目を集めています。何十年も前に最高裁で禁止の決定をされているにも関わらず、いまだに大規模にチキンファイトを行っている州がいくつもあります。
警察の話では、アーンドラ・プラデーシュ州で行われた闘鶏に参加した55歳の男性が、足にカミソリ武装をした鶏に腹部を切られたそうです。
この州では鶏に『武装』することは普通に行われます。大金が賭けられるため、運営側は勝負の勝ち負けをはっきりとさせたいのです。
地元のメディアによると、先週水曜日にプラガダバラム村の闘技場でオーガナイザーが鶏を抱えて試合開始のゴングを待っていました。すると鶏はパニックになり羽をバタつかせ被害男性に飛びかかったのです。警察は彼の名前をサリパリ・ヴェンカテスワラ・パオと発表しました。
怪我をしたこの男性はすぐに病院に運ばれましたが、到着した時には死亡が確認されました。警察はこの件を事件として捜査を開始しました。
ヒンズー教の太陽の祭、マカール・サンクランティの頃に毎年チキンファイトが急増します。しかし、最高裁は1960年制定の動物虐待防止法と1970年制定のアーンドラ・プラデーシュゲーミング法の両方を考慮し闘鶏は違法であると判決を下しました。
しかし実際には、地元政治家のドンや多額の金が関わっていることから警察は目をつぶる傾向にありました。1月15日のお祭り前後3日間で推定1.5兆円以上が賭けられるのです。
動物の権利活動家たちは毎年警察が動かないことに不満を訴えていますが、2017年に活動家たちの提出した最高裁の介入を求める嘆願書は却下されました。
2019年にはワシントンポストがアーンドラ・プラデーシュで開催された『チキンファイト・スーパーボール』を調査したところ、1,000人以上が参加するこの闘鶏は明らかに地元MLA(州の立法機関関係者)が運営していることが判明しました。
チキンファイトはすっかり定着してしまっているため観光スポットと化しています。ベルギーからの観光客の女性ハンネローレさんはアンパプラム村のイベントに参加したあと、ANI ニュースインタビューに答えてくれました。「ビジャヤワダに来るのは始めてです。マカール・サンクランティは収穫祭だって聞きました。地元の祝祭や文化に触れるのは興味深いしいいですね。」
「チキンファイトは興味があってさっき見たばかりです。すごく素早い決着ですね。これが地元の伝統だったら見て学ぶことはいいと思います。」
警察はできるだけチキンファイトの開催を防ぐようアクションを起こしていきますが、強制的に集客を解散させるのは危険が伴うと話しています。
reference:independent