ある男性はハイになったあと12時間もの間勃起し続けるという経験をし、2週間の間に2回も救急病院に駆け込みました。
一見するとそれほど心配なさそうなのでが、勃起し続けるというのはただ事ではないのです。持続勃起症として知られ、大変な痛みと合併症を伴います。
Journal of Cannabis Researchで報告された通り、今回のケースが大麻誘発性の持続勃起症の初の症例として医学報告書に文書化されたものです、とこの一件を担当した臨床医は話しています。しかしドラッグがどのように作用してこのような予測もしない症状を引き起こしたのかは不明です。通常ならまったく逆の効果があると考えられています。
32歳の男性はジョージア州にあるコロシアム・メディカルセンターに現われ、6時間以上も勃起がおさまらないと訴えました。彼はその日性的行為はしていなかったのですが、症状がおきる前に大麻を吸引したと報告しました。この患者は2週間前にもマリファナを吸い12時間も勃起状態となって病院にかけ込んできていたのです。それに加えて彼には4回以上もドラッグをきめ込んで勃起がおさまらないという経験があったそうですが、治療することなくなんとかおさまったそうです。
研究者は、大麻と持続勃起がどう関係しているのかは断言できないとはっきり認めています。「持続勃起症の原因として知られているものは全てあてはまらない」と主張し、考えられる原因はマリファナしかないという結論に至りました。しかし通常カンナビノイドが血管系に及ぼす症状以外になぜ、どうしてこのような症状が出たのかは見当もつかないとも認めています。
彼が鎌状赤血球症ではないアフリカ系アメリカ人であることも注目に値します。鎌状赤血球症というにはアフリカ起源の人々によく見られる病気で持続勃起症と関係していると言われています。
「彼の経歴を見ると、大麻の使用と持続勃起症の間には説得力のある相関性が見られました。」と研究者は述べています。
「教育用リソースや教科書では大麻の使用が持続勃起症の潜在的な原因であるとして既に書かれていますが、電子文献では大麻の使用と持続勃起症が同時に起こった例は4例しかありませんでした。そのどれもが大麻が直接の原因と証明できる説得力のあるものではありませんでした。」
前述のとおり持続性勃起症には不快な合併症が伴います。勃起組織に血液が送り込まれるとペニスは固くなり長く伸びます。しかし、血液が組織に長くとどまると脱酸素反応が起こりペニスは酸素不足になるという問題が生じます。もし勃起状態が4時間以上続けば酸素濃度が低い、つまり『低酸素症』になり、陰茎組織にダメージを受け12時間以上続くと『破壊』に至ることもあります。
持続勃起症は主に鎌状赤血球症を患う人によく見られる症状ですが、一部のドラッグや薬の副作用として現れる症状でもあります。非常に希なケースに電動自転車での事故にあった後9日間もの間勃起状態が続き苦しんだ男性の症例があるのです。
reference:sciencealert