ロシア当局はモスクワのパーティーで25〜30kgのドライアイスがプールに捨てられ、3人が死亡した事件を調査中とのことです。
モスクワタイムズによると2人は現場で、もう1人は病院で死亡し、3人の中には29才の誕生日を祝っていた女性の夫も含まれていたとのことです。BBCは、オンライン投稿された動画で何人かプールに飛び込んだ後息を詰まらせて意識を失う様子が見てとれると報じています。
この悲劇は日常的な化学物質を本来と異なる目的で使う場合の潜在的な危険を浮かび上がらせています。
名前こそ「氷」ですが、ドライアイスは実は零下78度の低温で高圧形成された固体の二酸化炭素です。指定通りに貯蔵、使用する限りドライアイスに危険はなく、パーティーの素敵な演出になることもあります。二酸化炭素は溶解することなく液状にもなりませんが、その代わり固体から気体に直接転移します。ドライアイスは室温では直接二酸化炭素ガスに変わり、このプロセスは「昇華」と呼ばれています。
二酸化炭素は空気より重いため、低い所に溜まることがあります。ニューヨーク州保健局は「ドライアイスは狭く喚気が悪い所で大きな危険を生じることがあり、溶けることで二酸化炭素ガスに変わってしまう」と指摘しています。狭い場所ではガスが溜まり、頭痛や呼吸困難の他むかつきや嘔吐を引き起こすことがあるのです。極端な場合には過剰に吸入することによって意識を失い、時には死に至ることもあります。
2018年、ワシントン州でアイスクリーム売りの妻と母親が車中で窒息する事件がありました。地元ニュース局KOMO 4によると、調査の結果車の中にドライアイスの入ったアイスボックスが4個見つかったとのことでした。
reference:iflscience