人気のある玩具は世界中の子供たちの記憶に残る時をはるかに超えて地球に影響を及ぼしているかもしれません。最新の研究によれば、レゴは海中で1000年以上形を保てるそうです。
デンマークのレゴ社が1949年に製造を始めてからおよそ4400億個のパーツが作られたと推定されます。30年ほど前にはレゴのプラスチック部品を運ぶコンテナが海に沈み、何百万個ものピースが散乱、今もイングランド南西岸に打ち上げられています。
こうした玩具が海洋環境でどの位存続するかを知るため、プリマス大学の研究グループがアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)と呼ばれる一般的な樹脂でできたレゴパーツを50個使って劣化の度合いを調べました。パーツはイングランド南西部の海岸沿いにある地元機関を通して集められ、「特徴のはっきりした凸部と凹部、そして多くの場合は部品内にあるデザイン番号」を用いて分類されました。
「環境汚染」誌の記事によると海洋中のプラスチックは「長時間持続する」ものの、自然の力にさらされて光酸化による劣化や物理的なストレスを受け、退色や重さのロスを生じるとのことです。研究グループはレゴ部品を洗浄して重さと大きさを測り、風化していない部品と比較、さらに蛍光X線(XRF)分析装置を使って化学組成からパーツの年代を求めました。こうした測定の結果、レゴブロックはものにより100年から1300年にわたって地球環境に残存するものと推定されています。古いピースは見た目も色あせ、もろくて軽い上、破砕の兆候や凸部の摩耗が見られました。
「測定したピースはすり減って色あせ、構造の一部に破砕を生じていました。このことから形が残るピースの他にもマイクロプラスチック化するものがあると考えられます。潜在的な環境問題をひき起こさないため、古くなった日用品を正しく処分することの重要性があらためて強調されたと言えます。」環境学准教授(査読者)であるアンドリュー・ターナー博士は声明の中でこのように述べています。
他の部品との比較により、海で見つかったレゴは平均40年経つものと考えられます。レゴブロックは海水より重いので理屈上沈むはずですが、海藻にからまったり強い海風や大波で流されるなど、潮の流れと気象条件によっては岸に打ち上げられることがあるのです。プラスチックは比較的新しい物質であるため、環境に与える長期的な影響や、海中でどれ位の間存続するのか見極めるのは難しいと言います。
「レゴは歴史上最も人気のあるおもちゃの一つで、長持ちすることも長所とされてきました。子供が触って遊ぶことを想定しているのですから、海中に何十年か置かれてすり減らないとしても驚くにはあたりません。しかし耐久性がここまであるとは我々にとっても驚きでした。」とターナー博士は述べています。
reference:iflscience