宇宙に潜む恐怖の天体「ブラックホール」
ブラックホールをその名前の通り、宇宙にぽっかりあいた穴であると認識している人は少なくないことでしょう。
初めにブラックホールは穴ではありません。地球や太陽と同じく一つの星。
ですが、重力が地球や太陽の比ではなく、光をも飲み込む異次元のパワーを持っているのです。
もし、このブラックホールに落下すると私たち人間はどうなってしまうのか?
一瞬にして死ぬのでしょうか?それとも、何か予想を上回る不思議な現象が起こるのでしょうか?
今回は「ブラックホールに落ちると何が起こるのか?」についてご紹介したいと思います。
まず、あなたをまるごと飲み込む全てを包含する闇に引っ張られる前に、あなたの内臓は熱いモッツァレラのように引き伸ばされます。
ブラックホールは、信じられないほど高密度な物質の塊であり、その重力は地球上で感じる力よりも何百万倍も大きいものです。
近づくにつれ、頭と足というわずかな距離であっても強大な重力の差が生じ、あなたの身体はスパゲッティのように引き伸ばされてしまいます。
科学者たちは、この過程を「スパゲッティ化現象」と呼んでいます。
近づけば近づくほど、重力は天文学的に増加。あなたの体はどんどんと伸ばされ、限界を超えると同時にちりじりとなりブラックホールに吸い込まれることでしょう。
動画が始まって早々ですが、ゲームオーバーとなってしまいました。木星に落ちたのときのように特別なスーツをご用意しましょう。
では、突入します。
ブラックホールの端では極限の重力が時空間の構造を曲げるため、時間が凍りつくと言われています。
バラバラにならずにこの地点に到達すれば、あなたはほぼ不死身の存在となるかもしれません。
あなた自身の数十年が、地球上の人から見れば数十億年に見えるのです。
物理学者のビクター・トスはこう説明しています。
相対性理論の時間のゆがみについて考えるときは常に、相対性理論はあなたのことを語っていないことを覚えておいてくださいと。
さらに時空の屈曲は、ほかにも不可思議な影響を与えます。
ブラックホールに吸い込まれていると、時間があなたの前後で曲がり、過去と未来を「見る」ことができるのです。
まず、ブラックホールに落ちるとあなたは光速に近づき、時間がゆっくりと移動します。
落下時に、あなたの前で落下した物体はあなたよりもさらに「時間のゆがみ」を体験しています。
つまり、前方のブラックホールに目を向けることができれば、過去にブラックホールに落ちた全ての物体が見られるのです。
そして、後方を見ることができれば、あなたの後からブラックホールに落ちる全ての物体を見ることができます。
つまり、ビッグバンからはるか遠い未来まで、宇宙のある地点の全歴史を同時に見ることになります。
少し難しいですよね、とりあえずさらに進みましょう。
ブラックホールに落ちた果てには何が待っているのでしょうか?
天才物理学者スティーブン・ホーキング博士は生前、ブラックホールから抜け出す方法があると考えていました。
なんと、ブラックホールの先には別の宇宙に繋がっており、そこへ吐き出されるというのです。
宇宙はロシアのマトリョーシカ人形のように入れ子構造になっており、
私たちの住む宇宙は、別の大きな宇宙のブラックホール内部に埋め込まれている可能性があると言います。
現時点では当然仮説の段階ではありますが、もしブラックホールが別の宇宙へと扉となるのだとしたらロマンを刺激しますね。
そこのあなた一度、ブラックホールに落ちて確かめてくれませんか?