富豪の英国人夫婦が事故死した息子の精子を使って、人工的に孫を誕生させていた

裕福な英国人夫婦が、亡くなった息子から採取した精子を使ってデザイナー・ベビーの孫「デザイナー・グランドサン」を誕生させていたことがわかりました。

英国人夫婦の亡くなった息子の精子を使ってデザイナー・ベビーを誕生させる依頼を受けた医師、デイヴィッド・スマウトリック医師(写真)でさえ、このケースは異例だと言います。

夫婦はひとり息子がオートバイの衝突事故で命を落としたとき、精子を採取するという驚くべき決断をしたのです。

厳格な英国の法律に反して精子は凍結され、米国へ運ばれました。跡継ぎとなる男児がほしかった、この50代の夫婦は米国の医師に男女産み分け法を使うように依頼し、提供された卵子を用いた代理出産によって男児を誕生させました。

男児は現在、3歳になっており、祖父母と英国で暮らしていることがわかっています。

こういった種類の出産としては英国では初めてのものと思われ、大きな倫理的懸念を引き起こすことは必至とみられます。

この件に携わった不妊治療の第一人者、デイヴィッド・スマウトリック医師でさえ、このような事例は非常に異例的なものだと認めています。

スマウトリック医師が創立し、院長を務める先駆的な不妊治療機関、ラ・ホーヤ体外受精クリニック(米国カリフォルニア州)で同医師はこの夫婦の孫の誕生に携わったと言っています。

驚いたことに、未婚だった息子は自身が死亡した場合に自分の精子が採取されて使用されることに正式に同意していなかったのを了承しているとスマウトリック医師は述べています。

法律の専門家によると、英国でこの件に関わった者は犯罪を行ったことになり、起訴される可能性があるということです。

《写真キャプション》

米国カリフォルニア州にあるラ・ホーヤ体外受精クリニック。スマウトリック医師はこの先駆的な不妊医療機関で英国人夫婦の依頼に応えたと話します。

スマウトリック医師は「このイギリスのご夫妻はたいへん悲劇的な状況でご子息を失くされ、どうしても家を継ぐ孫が欲しいと望まれたのです。ご夫妻のお力になれて光栄だと思っています」と言っています。

スマウトリック医師が非常に裕福で「名家の血筋」であると言う、この夫婦が2014年に26歳の息子を交通事故で失くしたときにこの驚くべき事例が始まりました。

男性の遺体は2日間、発見されず放置されていましたが、発見後に収容されると精子(死後72時間まで生き続けることが可能)が泌尿器科医によって採取され、ただちに凍結されました。

それから1年近く経った頃、英国を拠点とする医療専門の運送業者によって精子はスマウトリック医師の診療所に運ばれました。

現在(2018年)55歳のスマウトリック医師は1997年に初めて米国人の同性カップルのために体外受精児を誕生させた体外受精の先駆者であり、2001年に英国バークシャー州に拠点を置く実業家、イアン・マクルジョン氏が英国初の三つ子のシングル・ファーザーになったときにもそれを実現させた立役者でした。

同医師は「死亡した男性の精子を使って子どもを誕生させるのは極めて稀なことです。私自身、今までに5回しか行ったことがありません」とコメントしています。

「ご夫妻は何としても跡継ぎを誕生させることのできる人物を見つけようとしていました。男児がほしかったのですが、イギリスでは男女の産み分けは違法なので、男児を選別できるうちの診療所に白羽の矢が立ったというわけです」

英国では父親の死後に生まれる子どもが年間に5人ほどいます。通常は、男性が生存中に精子が抽出されるか、夫の生前に妻の卵子と夫の精子を使って体外授精させた胚から子どもが生まれます。

しかし、男性の死後に抽出された精子を使って赤ちゃんを誕生させるという、この事例は英国では初めてのことだと思われます。インド、米国、オーストラリアでは同様の例があがっています。

reference:dailymail