死にゆく星が発する光は小惑星をも粉々にする

超新星の中にあり命が尽きていない星でさえ、太陽系で最も小さい星たちに大災害をもたらすことができるのです。新たな研究では死にゆく星は小惑星を粉砕する力を持っており、太陽から地球までの距離の数百倍離れた場所にもその力は及ぶとのことです。

Credit:NASA/JPL-CALTECH

 Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyに恒星系におけるYORP効果の結果を観察した研究が掲載されました。YORPとはこの研究に貢献した4人の科学者の頭文字(Yarkovsky、O’keefe、Radzievskii、Paddack)から取ったもので、小惑星が恒星からの熱放射の影響で回転力が生じ自転速度が変化して死んでゆく現象です。

星の明かりはわずかながらもその勢いはゼロではありません。ここ十年かそこらでソーラーセール(太陽帆)の試験が成功したのを見てきたように、太陽からの光子には物を押す力があるのです。星の光が小惑星に当たるとき光は吸収され内側で分散されそしてあらゆる方向に放出されます。

小惑星は宇宙の岩が積み重なってできたもので、重力の弱さゆえくっついたままになることがあります。しかし、交じり合うことはありません。恒星から放射された熱で熱くなり、その後の熱の放射とのバランスが崩れます。この排出の不均衡によってちょっとしたねじれが生じます。時を経て、星がどんどん明るくなっていくほどこのねじれは大きくなります。小惑星にかかる重力が弱すぎるため、小惑星をばらばらにする力が相殺されるので宇宙の岩は塵となるのです。

「典型的な星が巨星分枝に近づくと、光度は最大太陽光度の1,000倍〜10,000倍に達します。すると星は地球ほどの大きさに縮小して一瞬にして白色惑星となります。」と論文の第一著者でウォーリック大学天文天体物理学部のディミトリ・ヴェラス博士は声明を出しています。

研究によって太陽系から遥か遠くの宇宙を理解する手がかりが得られました。約60億年間の間に私たちの太陽は燃料が尽き、外層が剥がれ崩壊し白色惑星へとなるだろうと言われています。つまり記録的な速さで小惑星帯への別れを告げることを意味しています。

「太陽がたどるだろう道ですが、太陽質量ほどの巨星分枝はもちろん、エキソ小惑星帯の類も効果的に破壊するのです。YORP効果は非常に強力で作用が素早く100万年ほどで作用が起こります。その作用は私たちの小惑星帯だけではありません、非常に早く本当に強力なのです。しかもこれは太陽単独の光だけで起こることなのです。」とヴェラス博士は話しています。

シミュレーションでは物体の直径が100m未満の場合、内部強度が高いこともあり破片のサイズは安定しています。研究者が白色惑星付近の小惑星破片からの放出を観測した結果から、星が死ぬ前の恒星系がどんな様子だったかを知ることが可能であると考えています。

reference:iflscience