コロナウイルスは空気中で数時間、物体の表面では3日間も生き延びることが判明

2020.03.18
auther vaience
コロナウイルスは空気中で数時間、物体の表面では3日間も生き延びることが判明

世界を席巻している新型コロナウイルスは空気中を数時間漂い、ものの表面では数日間潜むことができるという新たな研究があります。

Credit:Pixabay

アメリカ国立衛生研究所(NHI)が行なったこの新たな研究は、COVID-19感染症の原因となるSARS-Cov-2ウイルスが家庭や病院の様々なものの表面でどのくらいの間生きのびられるのかを調べました。すると、新型コロナウイルスは銅の表面では4時間、ダンボールでは24時間、プラスチックやステンレスでは2~3日も生き延びるとわかりました。

つまり、コロナウイルスは理論的にはドアノブや手すりにウイルスが付着した数日後に触った人が感染してしまうということです。石鹸を使って定期的に手を洗うべき理由がもう一つ増えました。

研究でわかったことは他にもあり、病原菌は空気中でエアロゾル化した形で最大3時間生きているというのです。論文著者は次のように締めくくっています。「ウイルスが数時間エアロゾル内で、また物の表面で数日間生き延びるという研究結果は、コロナウイルスのエアロゾル化や間接接触感染がありうることを示唆しています。」言い換えれば、感染者が咳やくしゃみ、息を吐いてから、ウイルスは空気中で3時間漂うということです。しかし、ウイルスが空気感染によって人から人へ感染するかどうかはまだ明らかにはなっていません。

しかし、「私たちはウイルスのエアロゾル感染があると言っているわけではありません。」とアメリカ国立衛生研究所のアレルギーと伝染病研究所所属のNeeltje Van Doremalen氏は Associated Pressの取材に対し強く強調して言いました。

この研究論文はプレプリントサーバー、medRxivに掲載されており、まだ査読はされていません。

この研究は新型コロナウイルスがどれだけの期間生きのびるかを測定するためにSARSやMERSなどほかのコロナウイルス科も比較観察しました。この研究では現在パンデミックの原因となっているコロナウイルス、SARS-CoV-2のサンプルを実際に調べています。

このウイルス名はSARSと混同してしまうのでヒトコロナウイルス2019、もしくはHCoV-19にしたほうが言いという主張もありましたが(論文で著者が触れています)、公式に変わることはありませんし、今後もないでしょう。今更名前変更する方がよけいに混乱するという主張もありました。

この研究では、SARS-CoV-2とSARS-CoV-1、そして同じように2003年に発生したSARSを比較しました。現在流行中のCOVID-19はSARSの流行よりもずっと酷いものでした。研究では、SARSウイルスが表面上で生きのびる時間はSARS-CoV-2と変わらなかったのです。このことから流行中のCOVID-19の『攻撃性』は体の表面で生きのびる能力にあると説明することができます。

「H-CoV-19(SARS-CoV-2)はSARS-CoV-1 126よりも様々な症状を引き起こし、さらに多くの死者を出し収容が困難なことも証明されました。研究の結果、127 HCoV-19の感染率の高さはウイルスの環境生存率とは関係ないことがSARS-CoV-1と比較してみるとわかります。」と著者は論文に記しています。

reference:iflscience

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