保存状態の良い胃の化石によって、一億年前の恐竜の『最後の晩餐』が明らかに

科学者たちは鎧で武装した大きな恐竜が最後に何を食べたのかを明らかにすることで、化石化した遺骨が当時どのように環境と付き合っていたのかを描くことができました。

Credit:Pixabay

1,300kgのノドサウルス科(アンキロサウルスの1種)で北の盾を意味するボレアロペルタは最後の晩餐後に死亡し、現在のアルバータ北部の海に流されて埋まっていましたが、2011年の採掘作業時に発見されました。背中のトゲがゴツゴツした生物の胃の内容物は状態が良く、サッカーボール程の内容物が消化されずに残っていました。

古生物学者たちは、恐竜が何を食べたのかを推測し、現在の動物の特徴と照らし合わせて大まかな食の好みを特定しました。以前の研究では恐竜の内蔵に種子や小枝を食べた痕跡を発見しましたが、その植物の種類までは特定できませんでした。

「恐竜の胃の内容物が保存された状態で発見されることは稀で、博物館チームによってミイラ化したノドサウルスから取り出された胃は今までにないベストな保存状態でした。」とサスカチュワン大学の地質学者で論文著者であるジム・ベイシンガー氏は声明で述べています。

ドラムヘラーにあるロイヤル・ティレル古生物学博物館、ブランドン大学、サスカチュワン大学からの研究員からなる研究チームはこの恐竜の胃の内容物の薄片を顕微鏡で調査しました。そして最後に食べたものがシダ植物の葉で、葉が88%、茎や小枝が7%含まれていることがわかりました。

研究チームは『きれいな保存状態で、しかも植物に偏っている』ことに『衝撃だった』と語っています。いままでは草食恐竜が何を食べていたのかはわかっていませんでした。胃の内容物は、その地域で同時期に存在したという化石記録がある植物と比較されました。そして、この恐竜はleptosporangiateと呼ばれる現在最も大きなシダ類に分類される特定のシダ植物を好んで食べ、当時一般的だったソテツ類や球果植物の葉は食べない偏食家であることがわかりました。

また、胃の中には48もの花粉化石の典型である花粉やコケ類の胞子の微化石、さらに26のクラブモスとシダ、13の針葉樹(裸子植物)、2つの被子植物が含まれていました。興味深いことに、燃えた植物片でできた木炭が胃の中で見つかったことで、動物たちが燃えた場所で火事の後に群生するシダを漁っていた可能性を示唆しました。

「火災生態学への適応は新情報となります。現在のムースやシカ、アフリカのゾウなどの大きな草食動物のようにノドサウルスは食事することによって景観を加工し、放牧によって開拓し続けたのでしょう。」とブランドン大学の生物学者であるデービッド・グリーンウッド氏は話しています。

主に現代の鳥などの草食動物が消化を助けるために食べる胃石も恐竜の内臓から見つかりました。

「植物片や動物自体の保存状態の良さから、最後の食事を食べたすぐ後に死亡し埋没されたことがわかります。」とロイヤル・ティレル古生物博物館の古生物学者で研究主任のカレブ・ブラウン氏は話しており、「植物は動物よりも季節について多くを語ります。最後の晩餐と直後の死と埋葬は春の終わり頃から夏にかけての出来事だったことがわかります。」とも話しています。

科学者たちは、この「発見によって大きな草食恐竜の食事について知ることができ、どんな植物をどこでたべたかといった景色を描くことができました。

「この驚くべき化石を目にし、胃の中の保存状態が良かったため最後に食べたものがなにかわかること聞いた人は、この野獣がどんな生活を送り、どこに住み、どんな食事を好んでいたかなど、生きている様をありありと思い描くことでしょう」

reference:iflscience



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