米メリーランド大学の研究チームが、地球から約900光年先にある系外惑星が主星の重力によって、アメフトボールのように変形してしまっていることを発見した。さらに、惑星表面から鉄やマグネシウムなどの重金属が宇宙空間へと流出していることも明らかとなった。
研究論文は、8月1日付けで学術誌「アストロノミカルジャーナル」に掲載されている。
アメフトボールのように変形した惑星は、約900光年先にある「WASP-121b」という星。WASP-121bは、太陽系最大の惑星である木星とほぼ同じサイズ。質量は木星よりも12〜24%重いが、主星からおよそ380万km離れた軌道を周回しているため、表面温度が2500度以上に達している。
木星ほどの質量を持つガス惑星でありながら、主星との距離が近いために表面温度が非常に高温になっている太陽系外惑星は「ホット・ジュピター」と分類されるのだが、WASP-121bもその惑星群に分類されている。
とはいえ、WASP-121bは主星と近すぎるが故に、平均的なホット・ジュピターの約10倍の灼熱であるそうだ。
そして、この表面温度の高さと主星の重力の影響によって、大気中の鉄やマグネシウムなどの重金属が蒸発して、宇宙空間に流出していることが明らかとなっている。
研究チームは、WASP-121bがこれまでに発見された系外惑星の中でも極端な例であるとしている。
reference:livescience