土星の衛星「エンケラドス」で、新たな有機化合物が発見された。有機化合物は、生命誕生に重要な要素の一つとされている。
土星の第2衛星である「エンケラドス」は、分厚い氷に覆われた星でその下には広大な海が広がっています。その他にも生命誕生に必要な要素が揃っていることもあり、生命体の存在がかなり期待されている星。
そんなエンケラドスで新たな”生命存在の光”が発見されました。それは、水に溶けた有機化合物です。有機化合物内の窒素と酸素はアミノ酸が作り出されるうえで重要な働きを担っており、またアミノ酸は地球上の生命とって不可欠なタンパク質の素となります。
昨年、今回とは別の有機化合物が検出されていましたが、水に溶けたものは初となります。宇宙生物学の世界では、生命が誕生するには次の3つの条件が必要とされています。
エンケラドスで1と2は十分に発見されており、重要なのは3つ目の条件です。しかし、これもエンケラドスの海の奥底に熱水噴出孔があると言われています。
熱水噴出孔からは、370度もの高温の水が吹き上がっています。熱水噴出孔から吹き出す水素をたっぷりと含んだ熱水は化学反応をうながし、有機化合物はアミノ酸へと変化します。アミノ酸はさらに互いに合体しあってタンパク質となり、生命体が誕生するかもしれません。
reference: nasa, sciencealert