現在この記事を執筆しているのは2019年5月24日、大阪はまだ5月であるというのにも関わらず気温が30度を上回った。天気予報を見ると、明日も明後日も明々後日も、最高気温が32~33度という数値を示している(5月26日、北海道で39度が記録された)。丁度10年前の大阪の5月の気温を調べてみたところ、30度を超えている日はなかった。5年前を調べてみると、5月31日に30.6度を記録しているが、3,4日も30度を上回ってることはなかった。
確実に、地球温暖化は進行しているのである。
今年の5月1日に、米国の海底探検家が有人潜水艦を使って太平洋南端のマリアナ海溝にあるチャレンジャー海淵の潜水に挑み、単独潜水の新記録を達成した。チャレンジャー海淵の深さは世界最高の1万927m。人類の深海探査の喜ばしいニュースと同時に悲惨なニュースも発表された。それは、この1万927mの海底でもプラスチックごみが発見されたのである。ポリ袋1枚とキャンディーの包み紙が数枚が沈んでいたそうだ。
一部の人間はこの美しい地球で好きかってしすぎなのである、都会に住み、電機やガスを使う私もその一部に入っているだろう。そして、このつけは必ず未来に返ってくる。いや、もう徐々に返ってきているのである。何も行動しないでのうのうと過ごしていると人類滅亡の事態も考えうる。しかし、非常に身勝手な意見ではあるが滅亡はしたくない!となると、地球の外側へ我々が移住可能な星を、『第2の地球』を、探し求めるしかないだろう。
今回は人類がこの広大な宇宙で太陽系外に発見した、私たちが移住するかもしれないセカンドアースを事細かに紹介しようと思う。
2014年にオーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究チームが、地球から16.1光年先という天文学的にはかなり近い場所に地球に非常に似た環境を持つ『Gliese 832c』という惑星を発見した。
Gliese 832cは名前の通り、Gliese 832という恒星(地球でいうと太陽)の周りを周回する惑星。地球の5.4倍の質量を持ち、公転周期は35.68日。つまりは1年が約36日、地球の1年とは大きく異なるが、まあそこは特に不自由に感じる点ではないだろう。そして、Gliese 832から受ける平均エネルギーは、地球が太陽から受ける平均エネルギーとほぼ同じで、大気も持ち、地球と極めて近い気温であると考えられている。
水が液体の状態で存在できるハビタブルゾーンに属しているため、液体の水の存在も期待できる。ここまでかなりいい条件であるのだが、1つだけ懸念される問題がある。それは地球の5倍以上の重さがあるため、その重力で集められた濃い大気が熱をかかえこんで灼熱の世界となっている可能性が考えられるのである。もしそうなっているのであれば、この惑星はいわば「スーパーヴィーナス(金星の大型版)」と言える。この問題点さえクリアされれば我々の移住先として、超有力な候補となる。
さそり座の方向に22光年離れた位置に存在する移住候補『Gliese 667Cc』その質量は地球の3.7倍で、半径は地球の1.5倍の大きさ。Gliese 667Ccもハビタブルゾーンに属しており、これまでに発見された系外惑星の中で液体の水が存在している可能性が最も高い。そのため、もう既に大なり小なり生命が繁栄しているかもしれない。
このGliese667Ccは名前の通りGliese667Cという赤色矮星の周りを周回している。この星が地球でいうところの太陽に相当する。しかし、この惑星系は太陽系とはかなり違った点が見受けられる。それは、Gliese667AとGliese 667Bという恒星を加えた3つが「三十星系」を構成しているのである。つまりは、Gliese667Ccに移住すると、空に太陽が3つ存在している状況になる。おそらく、移住した際にはかなり戸惑うことになるだろう。しかし、この広大な宇宙には太陽が2つ、3つある惑星系が意外と多く存在することが分かっている。そのため、我々のように太陽が1つという星がメジャーというわけではないことは他惑星移住において覚えていた方が良い。
地球から約1400光年離れた場所に存在する『Kepler 452b』は現在、発見されている星の中で最も地球に似ている。かなり似ていることから、「地球2.0」や「地球のいとこ」といったニックネームがつけられるほどである。
Kepler 452bは地球から1400光年離れた場所に存在する。地球の約1.6倍の大きさで、質量は約5倍、表面重力は2Gとのこと。少し、移住直後の生活は大変だが時期に慣れるはず。生命にとって重要な濃い大気も持ち、火山活動も発生している。公転周期は385日で、主星からほどよく離れているため、表面に液体の水が存在できる程度の温度である、お馴染みのハビタブルゾーンに属しているということだ。
そして、Kepler 452bが地球に最も似ているとされる最大の理由は、惑星自体ではなく恒星との関係である。Kepler 452bにとっての太陽となる、Kepler 452は太陽よりも10%大きく、20%ほど明るいだけ。さらに、恒星と惑星Kepler 452bとの距離は地球と太陽の距離に近い。そのため、Kepler 452bとKepler 452の関係は地球と太陽の関係にとても類似しているのである。惑星の環境の半分以上は恒星が決めると言ってもいいほど、惑星にとっての主星は大切である。
Kepler 452bがハビタブルゾーンに属してから、すでに60億年以上が経過している。60億年は地上や海で生命が誕生するのに十分な時間であるため、生命に必要な条件が揃っていれば、生命体がうじゃうじゃ存在している可能性も高い。そして、Kepler 452bは地球よりも15億歳ぐらい年上であり、Kepler 452bで生命が住める環境が維持できていたとして、そこに我々のような知的生命体が存在していたとしたら、星が古い分その星に住む知的生命体も人類を遥かに上回る高度な文明に発展しているかもしれない。
もう既に”Kepler 452b人”が地球に訪れているなんてこともあるのかも、、、
地球が45億歳なので、Kepler 452bは60億歳になるのだが、地球と同じサイズだとすれば、恒星が惑星の地上から水をどんどん蒸発させていく段階になっている。しかし、Kepler 452bは地球よりも質量が大きいため、あと5億年ほどは水が無くなることはない。そのため、1400光年というとてつもない距離を瞬時に移動できる方法が発見されれば、明日にでも移住できるのかもしれない。1400光年、どうすれば到達できるのだろう。
2017年2月23日、NASAが緊急会見を行った。その際に発表されたのが、この『TRAPPIST 1 惑星系』についてである。TRAPPIST 1 惑星系と聞いてよく分からない人のために説明すると、TRAPPIST 1という赤色矮星を主星とし、その周りを7つの惑星が回っているのである。太陽系の惑星数は8つのため、1つ少ない形であり、地球からわずか39光年先に存在する。
何故、NASAは緊急的に発表したかというと、この7つの惑星のうち3つが地球と似た環境を持っていたからである。もし仮にであるが、3つの星でそれぞれに進化した知的生命体が存在していたら、星間で交流しているだろう。宇宙戦争を行っている可能性も考えられる。
TRAPPIST 1 惑星系の7つの惑星にはそれぞれb~hの名前が付けられている。このうち、「e・f・g」の3つはハビタブルゾーン属しており、生命の存在が期待され、人類の移住先としても好ましい可能性があるとされている、順に説明して行こう。
TRAPPIST 1eは地球の0.918倍の半径を持つ地球型惑星(岩石惑星)であり、質量は0.24倍となっている。これらのデータから、重力は地球の0.74倍になると推定されている。表面温度は-22℃で、地球より低いことになり、水が氷に凍ってしまう温度になるが、これは温室効果を全く考慮に入れない場合の値である。温室効果を考慮しない有効温度では地球も-18℃と表面に液体の水は存在できない温度となるが、実際の平均温度は15℃である。ゆえにTRAPPIST 1eも、地球の様な温室効果、もしくはアルベドの値による大気中の雲の量によっては表面に液体の水が存在する可能性がある。また自転と公転の同期が発生しているとすると、惑星の片面は常に恒星にさらされるため、氷が解けて海を形成しているかもしれない。この条件が整っている場合、生命が誕生している可能性も考えられる。しかし、自転と公転が同期していれば、惑星全体で昼側から夜側への強風が吹き、地球とは環境が大きく異っている可能性もある。
TRAPPIST 1fは半径が地球の1.045倍の地球型惑星(岩石惑星)で、質量は0.36倍。これより、重力は地球の0.62倍になると推定されている。表面温度は-54℃である。仮に水が存在するとしても、これは水が氷に凍ってしまう温度になる。しかし、仮に自転と公転の同期が発生しているとすると、惑星の片面は常に恒星にさらされるため、氷が解けて海を形成しているかもしれない。この条件が整っている場合、生命が誕生している可能性も考えられる。しかし、自転と公転が同期していれば、TRAPPIST 1eと同じく惑星全体で昼側から夜側への強風が吹き、地球とは環境が大きく異っている可能性もある。
TRAPPIST-1gは半径が地球の1.127倍の地球型惑星(岩石惑星)で、質量は0.566倍。予想される重力は地球の1.06倍になるとされている。gはfと似たような環境である。
このように、eが最も移住候補として好ましいことがわかる。2021年に打ち上げられる、赤外線観測宇宙望遠鏡のジェイムス・ウェッブ宇宙望遠鏡がより詳しい情報を発見してくれるだろう。続報が入れば、またお伝えしよう。