オーロラは古くから人々を魅了し、現地に居住する人間たちの夜の灯りとして役立ってきました。そして、人類が地球を宇宙から眺めるようになって判明したことがたくさん存在します。
その一つは、オーロラが必ず”双子で現れる”ということです。
地球は、南極と北極を両極端とした巨大な磁石のようなもので、南極と北極を結ぶように、リンゴ型のような磁場が地球の周りを取り囲んでいます。
そして、太陽表面でフレアと呼ばれる爆発が起きると、プラズマ粒子を大量に含んだ太陽風が吹きます。こうして飛来したプラズマ粒子がリンゴ型の磁場に突入するのですが、実はこの磁場は完全なリンゴ型ではなく、リンゴの半分は図の地球の右側のように、太陽から見て後方に続いています。
飛んできたプラズマ粒子は、図の右側の長く続いた部分に溜まり、プラズマシートというものを形成。そこに溜まった粒子が磁場に沿って地球の両極に逆流し、磁場の極に吸い込まれていく。そのとき、大気中にある窒素分子や酸素分子と反応し、オーロラとなるわけです。
つまりは、プラズマ粒子が磁場に乗り片方の極にだけ戻るということが起きず、両極同時に戻ることから双子でオーロラが現れるのです。
しかし、実際に地球の表と裏で同時にオーロラを見るのはかなり難しいです。理由は、一日中日が沈まない「白夜」や一日中日が昇らない「極夜」が交互に起きるためです。どちらか一方が暗いときは、反対側が明るいという状況になってしまうのです。
それでもチャンスがないというわけではありません。双子のオーロラは、南極・北極の短い春と秋に見ることができます。例えば、片方が朝焼けで、もう片方が夕焼けのときに、カップルでそれぞれの極に散らばり電話で話しながら双子のオーロラを確認し合うという宇宙レベルでロマンチックなこともできるのです。
オーロラ観測地の中でも、アイスランドと昭和基地のペアは高確率でオーロラの同時観測ができると言われています。
宇宙から見れば、双子のオーロラを簡単に見ることができます。いずれ宇宙から観る「双子オーロラ観測ツアー」たるものができるのが待ち遠しいですね。