国際研究チームが、現在からおよそ20億5000万年前に地球上の生命の80%〜99.5%が死滅する「大絶滅」が発生していたことを明らかにした。この大絶滅では、地球上から恐竜が姿を消した際の大絶滅よりも、多くの生物圏が消滅したという。
約6550万年前、全ての生物種の70%が絶滅したと言われている「大絶滅」が発生し、地球上から恐竜が姿を消した。今回明らかとなったものは、それをはるかに上回る規模であった。
今年の8月半ばごろ、米国科学アカデミー紀要にある研究報告が発表された。それは、国際研究チームが数十億年前に形成されたカナダのハドソン湾の岩石を採取し、特定期間の大気中の酸素量を理解する鍵となる鉱物である”重晶石”を調査したというもの。
研究によると、20億5000万年前に地球上の生命が急激に減少したことが明らかとなったという。これは、大気中の酸素濃度に大きな変化があった時期のことである。大量絶滅のさらに24億年前、大気中の酸素量は大幅に増加した。その後、酸素量は劇的に減少した。地球上の生命にとってみれば「ごちそう続きの日々が一転、食糧不足の日々」に変わったようなもので、しかもこの状態が10億年近くにわたって続いたそうだ。
研究チームの推定では、20億年前の大量絶滅により地球上の生命の80%〜99.5%が死滅したと考えられている。これは、地球生命の70%が消えた6550万年前の大絶滅よりもはるかに大きな規模。
今回の発見は、「酸素のオーバーシュート説」を裏付けるものであるという。酸素のオーバーシュート説とは、酸素を放出する生き物が増え過ぎるが故に食糧が不足し、逆に生命の減少を招いたという説である。
また、研究チームは、過去に我々の知らない「大絶滅」がさらに潜んでいる可能性もあるという。
そして、これから起こる可能性もあるだろう。