スイスのベルン大学が、地球から550光年先に存在する太陽系外惑星「WASP-49b」を周回する衛星が非常に激しい火山活動を持っていることを発見した。
研究論文は、「arxiv」に8月28日付で掲載されている。
火山活動を持つ衛星として、地球からもっとも近くにイオという星が存在する。イオは、木星の第一衛星であり400個を超える火山がある。この極端な火山活動は、木星が持つ巨大な重力がイオに潮汐作用をもたらし、内部が加熱されることによって発生している。
そして、今回発見された「WASP-49b」を回る火山活動を持つ衛星はイオに似ているという。そのため、名前は「エクソ・イオ(Exo-Io=太陽系外のイオ)」と名付けられた。
エクソ・イオの発見に至った経緯としては、研究チームが系外惑星「WASP-49 b」から、かなり離れた場所でナトリウムのガスを検出したことだ。
系外惑星がもたらす潮汐作用は、その衛星の軌道を安定させるものの、衛星の内部をイオのように加熱させて激しい火山活動を引き起こす。さらに、惑星よりも多くのナトリウムやカリウムを宇宙空間に放出するのである。
系外惑星「WASP-49b」から離れた場所で発見されたナトリウムガスをうまく説明することができるのが、噴火活動を持つ衛星の存在となるのだ。
研究チームは、エクソ・イオの存在をより確実にするためにさらなる観測を行うという。
reference: livescience