インドネシア南部で、死んだマッコウクジラの胃から大量のプラスチックが発見された。クジラの腐敗が進んでいたため、死因は明らかになっていない。
2018年11月19日、インドネシア南部の浜に打ち上げられた死んだマッコウクジラ。なんと胃の中は約6キログラムものプラスチックごみでいっぱいでした。
クジラの腹部は、通常、巨大な腸や大量の血液で膨れ上がっているものですが、当局者によると月曜日(11月19日)の夜、インドネシア南部の浜に打ち上げられた死んだマッコウクジラの胃の中から約6キログラムものプラスチックごみが見つかったとのこと。
ごみの内訳は、プラカップが100個、ペットボトル4本、ポリ袋25枚、ビーチサンダル2足の他に何百ものプラスチック片。
全長9.5メートルのクジラは浜に打ち上げた時点で腐敗が進んでおり、研究者がクジラの死因が大量のプラスチックごみであったかどうかを判断することはできませんでした。
「死因をつきとめるには至りませんでしたが、我々が目の当たりにした事実は本当にひどいものです。」と海洋種保護コーディネーターであるドウィ・スプラチィ氏はAP通信に語りました。
マッコウクジラは、属で唯一の種であり、ハクジラ類で最大の種です。アメリカ鯨類協会(ACS)によると、成長したメスは体長が11メートルで体重は12~13トンになります。オスはそれよりはるかに大きく、体長18メートル、体重32~41トンになるそう。
この巨大な海洋生物は、主にダイオウイカや魚、エイ、タコを餌とし、1日あたりの摂取量は900キロに及びます。しかし、その中にはプラスチックごみを間違って食べてしまうこともよく見うけられるようになってきていると言います。
マッコウクジラは世界中の海で見られ、インドネシア周辺で回遊していても驚くことではありません。地中海におけるマイクロプラスチック汚染に関する国際会議の議事録に掲載された2017年の調査によると、インドネシアはいわゆるコーラル・トライアングルの真ん中にあります。ここは海洋の多様性のホットスポットであり、海洋環境においてプラスチック汚染のリスクが最も高い地域なのです。
2010年以降、インドネシアは中国に次いで世界第2位のプラスチック汚染国です。サイエンス誌に掲載された2015年の調査によれば、年間300トン以上のプラスチックごみを排出しています。
インドネシア海洋担当調整省のルフト・ビンサール・パンジャイタン大臣はAP通信に対し、今回の死亡したマッコウクジラがきっかけとなり政府と市民はプラスチックの使用を大幅に削減するようにならなければならないと語りました。
政府は、店に対してはレジ袋使用を止めるように促し、各地のコミュニティに対しては学生に教育するように促し、この問題に対して全国的に取り組んでいます。AP通信によるとインドネシア政府は2025年までにプラスチック使用量の70%削減を目指すということです。
「プラスチックごみが共通の敵であるということを人々が理解できるようになれば、この大きな目標は達成できます。」とパンジャイタン大臣は語りました。
reference: livescience