コロナウイルスがインド洋の非接触部族11人に感染

インド洋に住む非接触部族をコロナウイルスが襲いました。サバイバル・インターナショナルという先住民人権団体は、アンダマン島に住む大アンダマン族のうち11人にコロナウイルスの陽性反応が出たことを報告しています。

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「私たちの情報では、この島に50人ちょっとしかいない大アンダマン族のうちの11人にコロナウイルス陽性反応が出たことを確認しています。3人はすでに回復し、8人は今も入院中です。」とサバイバル・インターナショナルのソフィー・グリグ主任研究員が声明の中で述べています。

「壊滅的なニュースです」とも語っています。

大アンダマンはミャンマー沿岸の南西部から近いインド洋の諸島、アンダマン諸島に住む部族です。600の島からなるアンダマン島はインドとミャンマーの領土であり、現在確認されているだけでおよそ3,000人のコロナウイルスの感染と、40人以上がコロナウイルス関連で死亡しました。

この先住民のグループは元々10の別々の部族からなるものでしたが、現在は総称して大アンダマン族として知られています。19世紀中頃にイギリスがこの島を占領した時に麻疹やインフルエンザ、梅毒などを含む様々な新しい病気も持ち込みました。19世紀には5,000人いた部族も、今では50人ほどしかいません。

歴史が示すように、孤立した部族は産業社会では一般的な病気に対してほとんど免疫をもっていません。コロナウイルスは新型の病気ですので、彼らはこの病気に対して弱いかもしれないと懸念しています。アルコール依存症や結核も、今ではこのコミュニティで一般的な病気となっているため、さらに影響を受けやすいかもしれないのです。

「大アンダマン族は植民地開拓国であるイギリスのよって1850年代に持ち込まれた新しい病気に対する免疫を持たず、すでに多くの部族が亡くなりました。」と話し、さらに次のようにも述べています。「多くの部族がそうであったように、彼らも外部とはじめて接触したことで壊滅的に人口が減少しました。

1850年代には5,00人いた人口が1世紀後にはたったの19人にまで激減しました。ほかの大アンダマン族に感染を広げないことや、アンダマンのほかの部族の領土を守るために最善を尽くすことが重要です。

アンダマン諸島に住むセンチネル族など非接触部族にウイルスが広がらないかと懸念が高まっています。センチネル族は1990年代以降世界との接触はないものの、違法に魚やロブスターを採る密猟者と接触してしまうリスクがあります。

南アメリカ中の多くの先住部族にコロナウイルスがすでに広まっています。4月にブラジルのヤノマミ族の15歳の少年がはじめてコロナで亡くなった先住民であると確認されました。ちょうど先月小さな非接触部族のグループがブラジルの西アマゾン地域の別の部族のコミュニティに入ったという報告がありました。そのコミュニティは広く社会と接触している部族のため、非接触部族が自らコロナウイルスに感染しに行ってしまうことを懸念しています。

reference:iflscience



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