その腫瘍はわずか7ヶ月ほどで、ピンポン球くらいの大きさからサッカーボールほどの大きさへと膨らみました。医者は患者を窒息死させる恐れのあるサッカーボール大の腫瘍を男性の頸部から摘出したということです。
いくつかの放送局の報道によると、そのがん性の塊は直径23センチで、約3キロの重さがあったと言います。
巨大な腫瘍を摘出されたミルトン・ウィンゲートという名の男性は81歳。デイリーメールによると、彼は5月に多形性肉腫と呼ばれる軟部組織のがんだと診断されたことが分かっています。また、この種のがんは血管だけでなく、皮膚、脂肪、筋肉、神経組織で発達する可能性があるもの。発達速度が速いことで知られており、たいていの場合は体のある1か所で発達します。しかし、他の場所に転移する可能性もあります。
その男性ががんだと診断されたとき、彼の頸部にあった腫瘍はピンポン球ほどの大きさ、ハンカチで隠せるほど小さかったのです。翌月、その塊はハンドボールくらいの大きさまで膨らんだため、ウィンゲートは腫瘍を摘出してもらおうと医者のもとを訪れました。
最初に訪れた外科医は手術が非常に危険なものであるとみなしたため、その翌月、ウィンゲートは別の病院を訪れたと言います。しかし、そこでもまったく同じ答えが返ってきたのです。腫瘍は脳、頸部、顔に血液を供給する頸動脈の近くまで発達していました。そして、彼が訪れた2人の医者はその塊を摘出すると、極めて重要な頸動脈を切断してしまう可能性がある危険性に不安を抱いていたのです。
「私は様々な医者を訪れ続け、様々な病院に行き続けました。その間に、それは発達し続け、どんどん大きくなってきました。」ウィンゲートはニューヨークポストにこう伝えています。「私はいつ手術を受けることになるのだろうと不安になっていきました。」腫瘍は着実に発達し、そう時間がたたないうちに、それは少し小さなサッカーボールほどの大きさになっていたそうです。
今月初め、ついにウィンゲートはナジール・カーン医師による頭部と頸部の手術をニューヨークにあるマウント・シナイ病院で受けることになりました。カーンはこれ以上腫瘍が発達してしまった場合、ウィンゲートが窒息死してしまう可能性を考えていました。
「それは私が執刀した手術で扱った最も大きな腫瘍でした。」とカーンはニューヨークポストに伝えています。彼はその症例を受け入れ、手術の日取りを決めました。
手術は11月5日に行われ、終了までにかかった時間はなんと7時間でした。とはいえ、それは予想していたよりも早かったそう。医者はウィンゲートの頸部を再構築しなければならないと考えていましたが、その必要はありませんでした。ウィンゲートは現在、自宅療養中で数ヶ月後には更なるがん治療を受ける予定になっているとのことです。
ウィンゲート自身は楽観的に振る舞っており、手術を受けた後、医者に堂々と親指を立てていたそうです。
「82歳の誕生日を祝うことにするよ。」と最後にウィンゲートは語りました。
reference: livescience