体重500グラムほどしかないこの小さな子犬は、顔から角が生えてきているユニコーンのように見えるかもしれません。しかし、この謎の突起は角ではないようです…
この子犬は生後10週の子犬で、アメリカ・ミズーリ州ケープジラルドーの動物保護施設であるMac’s Missionによって保護されています。この犬の額にある角のようなものは、この子犬自身のしっぽの約3分の1の大きさであるとのことです。その子犬の特徴的な角が、ナルワール(ユニコーンの角に似た大きな牙を持つ北極のクジラの一種で、日本名はイッカク)に似ているため、施設のスタッフに、ナルワールと名づけられました。
実際のところ見た目とは違い、その突起物は角でもしっぽでもありませんでした。X線写真を撮影したところ、その突起物には通常、角やしっぽに見られるはずの脊椎がありませんでした。
「これは確かに角のように見えますが、X線写真から判断して、角ではなく皮膚です。」と、ナルワールを治療したケープ小動物クリニックの獣医、ブライアン・ヒューリング博士は語っています。そのため、その角は動くことはありませんし、振ることもできません。これは、本質的な出生時欠損にあたります。
それでも、この異常はかなり珍しい事例です。「私は16年間獣医をしてきましたが、このようなものは見たことがありません」とヒューリング獣医は言います。Mac’s MissionのFacebookの投稿によると、この子犬に生えた「角」を除去する計画は現段階ではないそうで、「ナルワールは額から生えている突起物を気にもかけず、他の子犬と同じように元気に走り回っています。」と、そこで働くスタッフが語っています。
角が発育過程で病気などの問題にならないかどうかを確認するために、ナルワールは、養子縁組を利用するまでもう少しの期間、避難所に滞在する必要があるそうです。
reference: livescience