オランダのとある動物園にてオス同士のペンギンカップルが子孫繁栄を望み、他の夫婦が産んだ卵を盗む事件が発生しました。
二匹のオスのケープペンギン(学名:Spheniscus demersus、別名アフリカペンギン)がオランダ、ネザーランドにあるアーメスフォールト動物園にて盗んだ卵を温める様子が発見されました。彼らの巣(卵を暖めていた現場)は別の夫婦の巣のすぐ側だったと飼育員は話している。
動物園の話によると、園内のペンギンコミュニティーでは孵化の時期を迎えておりゲイカップルは近くの夫婦から警備が緩んだ隙に盗んだのではとみられています。
この動物園では既にいくつかヒナが孵っており、飼育員たちは不正入手した卵を交代で温めるこのカップルの動向を観察している、とオランダのニュースで報じられました。また、盗んだ卵が無精卵である可能性もあるため、カップルの子を持つ夢が打ち砕かれるかも知れないとも伝えられています。
今回オランダで発生した卵窃盗事件の前にも、同性カップルのペンギンは世界中で暖かく見守られてきました。ニューヨーク、セントラルパーク動物園ではアゴヒモペンギン(学名:Pygoscelis antarctia)のオスのカップル、ロイとサイロは6年間パートナーとして過ごしました。また、ベルリン動物園ではオウサマペンギン(学名:Antenodytes patagonicus)のオスのスキップとピングは意図して同性カップルが作られました。さらに、オーストラリアのシーライフシドニー水族館ではオスのジェンツーペンギン(学名:Pygoscelis papua)のスフェンとマジックが愛を育みました。
この3カップルはいずれも卵を育てたとのことです。サイロとロイは2004年に卵の孵化に成功。スフェンとマジックのヒナは“スフェンジック”と名付けられ2018年10月19日に孵化したことを水族館がツイッターで発表した。しかしスキップとピングは可哀想なことに子供に恵まれませんでした。細心の注意を払っていたにも関わらず9月2日に無精卵が「割れてしまった」とドイツのニュースサイトThe Localが報じています。
同性カップルを作るのはペンギンだけではありません。130種類以上の鳥類が複雑な求愛儀式や生殖器の接触、数年にも渡って一緒に巣を守るといった同性愛行動をすることで知られているのです。
reference: livescience