カナダ北部の孤立した荒野に追いやられた数百万年前の地球の大陸性地殻の断片を科学者たちが発見しました。
バフィン島はカナダ本土とグリーンランドの間に位置する50万平方kmを超える巨大な北極圏で、世界で5番目に大きい島です。
この島は1999年に正式にカナダ準州として一番新しい領土となったヌナブトを含み、この新たな発見がこの古代の陸には秘密のつながりがあり、これまで逆方向に分裂してきたことを示しています。これははるか地質時代から始まっているのです。
バフィン島の南にあるチドリアックキンバーライト岩体からダイヤモンド掘削探査で取り出した火成岩のサンプルを分析中に、研究者たちは期待していなかったその火成岩の特徴を特定したのです。
「キンバーライト火成岩は地上へ向かう途中で乗客を乗せる地下ロケットなのです。」とブリティッシュコロンビア大学の地質学者マヤ・コピローワ氏は説明しています。
「乗客とは私たちの惑星の表面から時間の経過とともにはるか地下深くに潜んだ状態を詳細に豊富に運んでくれる壁岩の固形のかたまりのことです。」
今回、乗客たちは非常に長い旅を遂行しました。研究チームは、地下150km付近に形成されていているこのようなキンバーライト火成岩を地質学や化学の力によって地表に引きずり出したのです。
地質学的観点からみると、現代のバフィン島の地下からの火成岩の出現は、北大西洋クラトン(NAC)の大陸プレートをリフティング中、およそ1億5000万年前に巨大な分裂が起こったことを意味します。
NACとは、数十億年前の太古代にさかのぼる岩石圏を指し、大陸性地殻が最も早く分裂したものと言えます。
数百万年前にNACが分裂した断片はスコットランドやラブラドル地方、そしてグリーンランドに広がりましたが、研究者たちはそれがバフィン島にあるホール半島でも見つけるとは思いもしませんでした。
「ほかの北大西洋クラトンのほかの部分から取った鉱物組成はとてもユニークですので間違いようがありませんでした。」とコピローワ氏は話しています。
「ピースを合わせるのは簡単でした。カナダ北部(ケベック北部、起きたオンタリオ地方、そしてヌナブト)近隣の古代クラトンは鉱物学的に全く違いました。」
この結論に至るまで、研究チームは記載岩石学、鉱物学、そして温度圧力計などいくつもの分析技術を用いて120もの捕獲岩ととばれる岩石サンプルをキンバーライト岩体から取って調べました。
その結果、チドリアックマントルは西グリーンランドから取れたNAC岩石とバルク組成や鉱物化学は、ほかのクラトンからの数値と対照的に『驚くほど似ていた』わけです。
「私たちはチドリアックマントルが近隣のマントルのなかで唯一NACとだけ関係性があると結論づけました。」と論文著者は説明しています。
「私たちはこの類似性はホール半島の岩石圏とNACクラトンの構造的な一貫性を示し、大陸が分裂したと解釈しています。」
この研究結果は、私たちが北大西洋クラトンは知られていたよりも10%大きかったことを発見したことを意味しています。これは信じられないほど古く大きな地殻のかたまりです。新しいマントルモデリング技術のおかげで、今まで知られていたよりもさらに深くの堆積岩層を知ることで地球ができた当初の陸の形を構想することができます。
「これらのサンプルで私たちはより深いマントルに基づいて古代の大陸の形を再構築することができます。」とコピローワ氏は話しています。
「私たちは惑星の体積の1%である地表の薄い層だけではなく、文字通り深い知識を使って理解し地図を作ることができるのです。」
論文は Journal of Petrologyに掲載されています。