ケニアのガリッサ地区にある自然保護区で2頭の希少な白いキリンが白骨化した死骸となっているのを自然保護官が発見しました。2頭は数ヶ月前から行方がわからなくなっていました。
ツイッターで発表された声明によると、死骸は母親のキリンと生後7ヶ月の子(イシャクビニ・ヒロラ・コミュニティ自然保護区に生息していたわずか3頭の白いキリンのうちの2頭)であり、死後4ヶ月経過していると推定されています。発見時の状態から、2頭は武装した密猟者らに無惨に殺されたと見られます。
「今日は地元のコミュニティにとってもケニア全体にとっても非常に残念な日となりました。我々は白いキリンたちの管理を担ってきた世界で唯一のコミュニティなのです」と同管理局の責任者モウハマド・アーメドノア氏が語ったと声明には記されています。
密猟者はまだ特定されておらず、殺害の動機は判明していません。同国の中心的な自然保護団体であるケニア野生生物公社が現在、捜査を進めています。
この自然保護区には、オスの白いキリンが1頭残っています。これが白いキリンとしては地上に残った最後の1頭になってしまったのかもしれないと管理局は言っています。
白いキリンたちは全身の色素が欠乏するアルビノではなく、皮膚の色素沈着を部分的に失う白変種だと管理局は指摘しています。アルビノの動物とは異なり、白変種の動物は軟組織細胞の中の黒褐色の色素は生成するので、このキリンの親子は黒っぽい目をし、尾の先の毛も黒っぽい色をしています。
多くの哺乳類に白変種が存在しますが、キリンの白変種は極めて希少です。ケニアのキリンの親子以外にアフリカで見つかった白いキリンは1頭しかいません。ケニアの自然管理局の母体組織であるノーザン・レインジランズ・トラストによれば、そのキリンは2016年1月にタンザニアのタランギーレ国立公園で確認されて以来、目撃情報が途絶えているということです。
白いものであれ、そうでないものであれ、すべてのアミメキリン(学名:Giraffa reticulata イシャクビニ・ヒロラ自然保護区とケニア北部全域に生息しているキリンの種)は、国際自然保護連合が作成するレッドリストで絶滅危惧種に分類されています。キリン保護基金(GCF)の推定によると、野生の状態で生き残っている個体は1万5,780頭ほどであり、30年前に生息していたおよそ3万6,000頭から約56%減っています。アミメキリンを絶滅の危機に追い込んでいるのは、人間の活動による生息地の喪失と密猟です。
reference:livescience