地球上には私たちの想像を超える見た目や能力を持った生物が数多く存在します。
頭が透明な深海魚「デメニギス」や……………再生能力を持つ『プラナリア』などあげるとキリがありません。
ですが、その中でも一際存在感を漂わせるのが海中に存在する『青いドラゴン』との異名を持つアオミノウミウシ。
アオミノウミウシはその名前の通り、ウミウシの仲間です。世界の海にはたくさんの種類のウミウシが生息していますが、アオミノウミウシは泳ぐことのできるウミウシです。
胴体から伸びる3対の腕についた羽のようなヒレを広げながら海を泳ぎます。
アオミノウミウシはその美しい見た目からは想像できませんが、肉食性。
強力な毒を持つことで有名なカツオノエボシやギンカクラゲなどの有毒生物を好んで食してしまいます。
こちらはギンカクラゲを食べるアオミノウミウシの映像。
ギンカクラゲの触手に怯むことなく襲いかかります。当然のことながら毒のある触手で攻撃されますが、アオミノウミウシにはその毒針は全く効果がありません。
効かない。効かない。やはりこれも効きません。
また、驚くべきことにアオミノウミウシはカツオノエボシやギンカクラゲが持つ毒針を食べて体内に貯蔵することができるのです。
これを『盗刺胞』というのですが、外敵に襲われた際、この貯蔵していた毒針によって相手を攻撃します。
さらに、泳ぐことに疲れたアオミノウミウシはこのギンカクラゲなどに掴まり、タクシー代わりにしてしまうのです。
ハワイなどの温帯や熱帯の海域に生息しているアオミノウミウシですが、日本では南西諸島や小笠原諸島の海岸に現れることもあります。
発見した場合はくれぐれも素手で触らないように。盗んだ毒針で刺されてしまいますよ。