報道によれば5月27日にインド・ケララ州で死亡した妊娠中の野生の象を解剖した結果、爆竹を詰めたパイナップルを食べて口の中で爆発したことが死因ではないかと考えられています。CNNの報道で現地の森林管理官であるアシケ・アリ氏はこう語っています。「(爆発は)骨を砕いて口に大きな損傷を与えました。象は餌を食べることができなくなり、弱って死んでしまったのです。」
CNNは地元の人たちが爆竹を詰めたパイナップルなどの果物を使って野生のイノシシを追い払ったり駆除することがあると伝えています。インディアンエクスプレス誌の報道では、ウィルソンと称する人物が殺害関与の疑いで逮捕されたことをケララ州ラジュ森林相が6月5日時点で明らかにしています。
負傷した15才の象を森林管理官が最初に見つけたのは5月23日のことでしたが、治療しようにも動かすことができなかったとアリ氏は言います。象は2日後には川の中に立っていたものの、「治療のため眠らせる必要があり、鎮静剤を使うと溺れてしまう可能性がありました。」管理官チームは捕獲した象2頭に先導させて負傷した象を川から出そうとしましたがうまくいきませんでした。「象は同じ場所に48時間近く留まった末、5月27日体内の深刻な損傷により死に至った」とエクスプレス紙は述べています。
さらにエクスプレス紙によれば、象の死に関与した者を明らかにするため森林局職員が現地で爆竹付き罠などの証拠を捜索中とのことです。インド環境省のプラカシュ・ジャヴァデカル大臣はツイッターでこう述べています。「インド政府はケララ州マラプラム地区における象の殺害に関して大変遺憾に思います。犯人逮捕のため必要な捜査は厭いません。爆竹を食べさせて殺すなどインドの文化にそぐわない行為です。」
自然保護団体エレファント・ファミリーによれば、野生アジア象(学名Elephas maximus)の半数以上にあたる27,312頭がインドに生息しています。彼らにとって最大の脅威は自然生息地、特に生息地を結ぶ自然の回廊に対する人間の破壊行為なのです。
reference:livescience