男性はうんちをするのになぜそんなに時間がかかるのか疑問に思ったことがある人は、きっとなにか医学的な理由でもあるのかと考えたことがあるかもしれません。なぜ男性は女性よりもそんなにトイレが長いのでしょうか?
その答えは、身体的構造によるものではありません。実際のところ、男性は女性よりも排便時間が短いようなのです。2009年に Gender Medicine に掲載された研究では、男女間での排便の違いを調査しました。
研究者たちは便秘、便の硬さ、排便するために指を使って出す必要があるか、排便が苦痛な人たちのウンチの状態などを調査しました。研究チームが出した結論は、女性の方がより『排便習慣に異常』がある、また便秘を経験しているというものでした。
つまり、男性よりも女性の方が排便習慣に異常を抱える傾向があるわけですから、女性の方こそトイレで長い時間を過ごすべきなのです。
1992年Gutに掲載された研究でも同じような結果でした。排便の男女間の違いを研究するためのアンケートが1,900人以上のイギリスの男女対象に行われ、性別関係なくほとんどの人は『通常のいつもの排便』を快適に出来ている一方で、統計的に女性の方がトイレに関する課題があるようなのです。
しかし、男性はトイレにこもる時間が本当に長いのです。 The Daily Mailに取り上げられたイギリスの浴室機器会社によって最近行われた査によると、男性は週に平均1時間35分、1日にすると約14分トイレで過ごしているそうです。女性はというと、週にたったの55分程度、つまり1日8分ほどしかトイレで過ごしていないのです。
このことから、男性はウンチをするためだけにトイレにこもっているわけではないようです。例えば、イギリスのバスルーム調査の結果にもあるように、女性はたったの27%に対し男性の86%はトイレに座りながら本を読んでいるのです。
Neurogastroenterology & Motilityに掲載された2009年の研究では、調査に参加した499名の参加者のうち男性は過半数(64%)、女性は半数以下(41%)の人がトイレで日常的に本を読むと答えました。
おそらく本を読むと答えた男性は日常の問題から逃避するためにトイレに篭るのでしょう、と『Be Fearless: 28日間であなたの人生が変わる』 (Center Street, 2012)の著者でニューヨークを拠点に臨床心理士として活動しているジョナサン・アルパート氏が語っています。
「トイレに時間がかかる理由は医学的には説明がつきません。おそらく心理的な理由からでしょう。」と話しています。
彼らはトイレの時間を家庭の喧騒から逃れる時間だと思っているのだろうと見解を述べています。「トイレは彼らにとっての聖域でもあり一人になれる唯一の場所なのでしょう。」
特に小さな子供がいる父親にとってはまさしく長いうんちタイムは考えをまとめるのにちょうどいい口実となります。「以前、浴室が唯一子育てから解放される場所だと話していたクライアントがいました。ずっと篭っていても何をしているかと誰にも聞かれることもない隠れ家となるのです。安全地帯となるわけです。」と語っています。
(the Bureau of Labor Statisticsの調査によると父親は母親ほど家事や子育てに関わっていないということはお伝えしておく必要があります。さらに母親よりも父親の方が自由な時間も多いのです。もしかして自由時間をトイレに浪費しているとでもいうのでしょうか?)
アルパート氏は「トイレに行くことは誰にとってもプライベートなことなので、プライベートな時間をほんの少し多めにとっている人もいるのではないかと思います。」とも話しています。しかしトイレに長時間座っていることはあまり良くはありません。医者は長時間トイレに座って力むことで肛門に圧力がかかり痔を引き起こすと警告しています。
さらにトイレに長時間滞在することは不吉の前触れの可能性もあります。「特に携帯電話を持ってトイレに行く場合には注意が必要です。トイレに座って浮気相手と連絡をとっている人も多いのです。ポルノを鑑賞したりデートアプリで一生懸命スワイプしている人もいます。」
しかしあなたのパートナーがトイレにやたらと長時間篭っているからといって浮気と結論づけるのを早まらないでください、ほとんどの場合はほんの少しだけひとりの時間が欲しいだけなのです。
reference:livescience