イタリアの医師たちは頭蓋骨が結合した双生児の世界初の分離手術に成功しました。
現在2歳になるエルヴィーナとプレフィーナは、『頭蓋骨結合双生児』という頭蓋骨の後頭部どうしが結合し、頭蓋と脳がつながった非常に希な状態で誕生したのです。彼女たちは中央アフリカの首都バンギから100km以上離れた小さな村で誕生しました。2018年7月、病院の院長であるマリエッラ・イーノック博士はこの双子が生まれた医療センターで二人に出会いました。
6月5日、二人の女の子はローマにあるバンビーノ・ジェズ小児病院にて医師と看護士総勢30人による18時間の手術の末、分離に成功しました。1ヶ月後、手術は成功し二人は回復に向かっていると担当医師らは宣言しました。
今まで頭蓋骨結合双生児の手術について医療文献には載っていないため、この手術に成功したのは初であると医療チームは主張をしています。
今回の手術は3回目の最終分離手術でした。最終手術の最初の手順は双子の頭蓋骨やその他の組織を物理的に分離することでした。そして手術は2つの手術室に分かれて続行し、双子それぞれの脳を覆う膜の再構築をするため2チームに分かれました。
「とても興奮する瞬間で、二度とできない素晴らしい経験でした。」とバンビーノ・ジェズ小児病院の神経外科長のカルロ・マラス氏は記者会見で話しました。「とても壮大な目標でしたが、情熱、楽観、喜びをもって成功するためにできることはすべて行いました。各手順を共有することで詳細をすべて一緒に調査しています。」
双子は、頭蓋骨の大部分を共有し、血管網は複雑に絡み合っていました。さらに厄介なことに、ひとりの心臓はもうひとりよりも脈が強かったので、2人の間でそれぞれ血圧が異なっていました。幸運にも、双子は総合的に健康体で脳の機能も一般的だったのです。
二人は類似点も多いにもかかわらず、医師らは二人の性格は全く違うことに気づきました。プレフィーナは活発でいたずらっ子、エルヴィーナは真面目で注意深い子です。
「エルヴィーナとプレフィーナは二度誕生したのです。」と双子の母親のアーミンさんは話しています。「私の子供たちはこれで成長し、勉強も頑張ってほかの子供たちを助ける医者にもなれますね。」
reference:iflscience