ロシア西部の奥地のとある場所です。ボロボロのスクラップにされた金属やコンクリートが集められているのが見えますね。これらはどうってことはありません。
しかしガラクタたちの中をよく見てみると大きな金属のディスクが地面にあるのがお分かりいただけるだろうか?これはただの古いディスクではありません、これは12km以上も地球内部へとまっすぐにあいた穴を塞いでいる蓋なのです。
12kmがどのくらい深いかって?海洋で最も深いポイントと言われるマリアナ海溝よりも深いのです。実際、これは地球に掘られた最も深い穴なのです。
これはコラ半島超深度掘削坑と呼ばれ、化石燃料の抽出とはなんの関係もありません。この穴は単に科学のために存在しているのです。
ソビエトの科学者らが1970年代に地球の地殻の中身が知りたいがために地球表面から掘り進め始めました。
「というのも、私たちの足元のことよりも太陽系の向こう側のことのほうがよっぽどわかっているのですよ。」とハンク・グリーン氏は2014年のSciShowという科学教育番組で説明しました。
その後24年にわたって科学者たちは不定期に掘削を続け、望む結果は得られなかったものの、1994年には12km以上に達していました。
とはいえ、記録更新することとなり、いまだ破られていないわけですからバカにはできません。そこまで深く掘り進めるために彼らが開発したその掘削技術は注目に値します。
しかし、この重労働から何が得られたのでしょうか?グリーン氏が動画で説明しているとおり、たくさんの収穫があったのです!
まず、地表から12kmの内部に水が存在するという事実は科学者たちがその目で確かめるまではありえないと思っていたことです。
そして、地表からおよそ7km地点に24種類のずっと前に滅びた単細胞生物の微小化石を発見しました。
また、素晴らしいことに27億年前の岩盤にまで到達することができたのですが、この岩は科学者たちにとって乗り越えられない壁となってしまったのです。
それは何故かって?その場の温度は180℃近くもあり、科学者が予測していた温度よりも80℃以上も高かったので通過することができなかったのです。
将来私たちはこれ以上進む方法を見つけ出すのでしょうか?1994年というのはだいぶ昔のことですから絶対ないとは言い切れないでしょう。
reference:sciencealert