そろそろ頭の弱い『地球平面説論者』との決着をつけよう

地球は球体。これは何千年も前から知られている事実です。1957年にソ連が打ち上げた世界初の人工衛星、スプートニク1号が「地球の周り」を回り始めてすぐに議論の余地なく認められることとなりました。

Credit: Pixabay

それでもなお、少数ながら、世界は平面だと熱弁する人々がいます。「フラットアースナー」と呼ばれる、この地球平面説論者たちは近年、インターネット上で目立ち始め、この現実の最も基本的な見方を疑うための種をまいているようです。

多数のフラットアースナーたちが、地球は実際には平らなのに、あたかも球体であるかのように見える理由を説明するために代替論をでっち上げることへ熱心に取り組んでいます。過去数千年にわたって人間が地球を観察して気づいたことは、地球を球体として考えれば明らかに説明がつくにもかかわらず、です。

けれども、もし、地球がなぜか本当に平らだったとしたら、私たちが現在知っている地球のような様相をしていないはずです。もっとはっきり言えば、人間は(そして、ほかのすべてのものも)疑う余地なく死に尽くしているでしょう。

米国カリフォルニア州のパサデナにあるカリフォルニア工科大学の惑星科学者デイヴィッド・スティーヴァンサンによると、宇宙物体が(球形ではなく)円盤状に形成されるためには非常に速く回転しなくてはならないということです。

しかし残念ながら、惑星は高速で回転すると、ばらばらに壊れて無数の小さな粒になってしまうと考えられています。1850年代に天文学者のジェイムズ・クラーク・マクスウェルが土星の環に関する研究において、固まった円盤の形状は宇宙空間では安定した構造ではないということを数学的に明らかにしました。

マクスウェルはこの研究で、土星の環は多数のばらばらな粒で形成されていると推測し、それは正しかったことが後に判明しました。マクスウェルの計算を使えば、なぜ銀河の中を円盤状の惑星規模の物体が浮かびながら回っていないのかを説明することができます。

地球をものすごく高速で回転させることなく、平らにするためには、魔術か、おそらく、惑星サイズのホットサンドメーカーが必要となるでしょう。いずれにしても、ぺちゃんこにつぶした地球はつぶれたままではありません。

数時間のうちに地球は押し返すようにして回転楕円体に戻ってしまいます。重力はすべての面を同じように中心に引く力なので、惑星は球体なのです。(正確には、球体に近い形です。自転の速度によっては、重力の反対方向に働く力が勝って、赤道のあたりが少しふくらむ場合があります)重力の現実的条件のもとでは、固まって安定した円盤状の地球は存在し得ないということをマクスウェルの数式が示しています。

では、重力がないとしたら、どうでしょうか。重力がなかったら、たちまち、私たちは地球について理解することができなくなります。

大気?ないはずです。大気は重力によって地球に留まっているので。潮の干満?そんなものもないはずです。満潮と干潮は月の引力によって海が引っ張られ、月が近づいた時に微妙に各大洋がふくらみ上がることで起きるためです。

月の存在もやはり、ないはずです。月が存在することに関する解釈はすべて重力の概念を含むので。月の成り立ちについて最も広く受け入れられている説は、惑星規模の巨大な天体が初期の地球に衝突した時に生まれたというもので、衝突の際に飛び散った破片が地球の重力によって集められて月になったと説明しています。

別の成り立ち説では、(やはり重力のおかげで)地球が誕生したのと同時に月も形成されたとしています。また、地球の驚くほど強い重力が、近くを飛んでいた大きな隕石を引きつけて留め、それが月になったという説もあります。

Credit: Pixabay

重力は地球の層状構造の原因にもなっています。地球の層状構造とは、最も密度の高い物質が地球の核に向かって沈み、これよりは軽い物質がマントルを組成し、そして、最も軽い物質が地殻を形成していることをいいます。

この層状構造がなかったら、地球は多くの点で異なる様相を持つと考えられます。たとえば、地球の液状の外核は活発に動く巨大な磁石のような作用をし、地球の磁場をつくっています。磁場は太陽風が地球の大気をはぎ取ってしまうのを防ぐのに役立っています。太陽風は40億年前に火星の磁場が弱まった後に火星の大気を取り去ったことがあります。

もし、地球が平面的であったのなら、プレートテクトニクス(地球の地殻を組成する硬いプレートの動き)もないことになるとニューヨーク市にあるコロンビア大学のラモント・ドハティ地球観測研究所の地球物理学者であるジェイムズ・デイヴィスは言います。

「計算をすれば、計算は球体のものとして行わなくてはならないとわかります。計算と言っても『このプレートがこれだけ動いて、あのプレートがあれだけ動いたら』というような、とても単純な計算です」とデイヴィスは解説してくれました。「もし、地球が平らだと仮定したら、正解(実際の地球の観測結果に一致する解答)は得られません」

フラットアースナーたちは、このような観測結果がどのように平面的な惑星で可能なのかを説明する別の理論をつくり出しています。デイヴィスによると、問題はこれらの説明が数学や物理的現実に基づいていないということです。

1950年代にマクスウェルが土星の環は多数の小さな粒でできていると推測した時に彼が応用したのは重力と回転力の作用についての一般的な知識です。実際、これについて論じるマックスウェルの論文の大半は数式で書かれています。地球平面論ではそうはいかないとデイヴィスは指摘しています。

また、地球を平面と見る世界観は、異なる現象について、異なる理由を挙げることで成り立たせています。しかも、その説明は都合の良い事例のみを挙げているものなのです。

現実の世界では、地球も月も同じ定量化可能な理由、つまり、重力によって丸いのです。地球平面説の提唱者たちは地球と月について、それぞれ独立した説明を考え出さなくてはなりません。そして、そのような独立した説は互いに矛盾することが多いものです。科学的理論とはそのようなものではないとデイヴィスは主張しています。

「千の観察結果を一つの単純な理論で説明することは、千の観察結果を千の理論で説明するより簡単なことなのです」

まぁ、そういったことはともかく、もし、地球が本当に平らであるのなら、平らであることを否定する何百万人もの科学者たち(および、歴史を通してそうしてきた科学者たち)はまったくもって深遠な理由のために大きな陰謀によって団結しているということになります。

reference: livescience