寄生虫がイギリス人男性のペニスから這い上がり、感染することに成功

アフリカで休暇を過ごしていた英国人男性が湖に浸ったのはほんのわずかな時間のことでした。しかし、男性はその後何ヶ月にもわたって消耗性疾患で苦しむことになったのです。「寄生虫が私のペニスの中を這い上っていきました。」この言葉はややセンセーショナルに聞こえるかもしれませんが、それを差し引いても、この男性の話は、あまり知られていない寄生虫の世界について、恐ろしくも興味をそそる洞察を与えてくれます。

Credit: DAVID WILLIAMS/ILLINOIS STATE UNIVERSITY/WIKIMEDIA COMMONS/PUBLIC DOMAIN

先ごろ、ロンドン出身のジェイムズ・マイケル(32)は英タブロイド紙『The Sun』の取材に答えて、アフリカでの休暇中に湖で泳いだ際に厄介な住血吸虫属の寄生虫に感染した体験を明かしました。

2017年の夏にマイケルはアフリカ南東部周辺を友人たちと旅行し、マラウイ湖で泳いだり、カヌーに乗ったりして休暇を満喫しました。ところが、帰国後間もなく、急激に具合が悪くなったのです。常に疲労感があり、脚の感覚がなくなっていました。

誤診に次ぐ誤診に混乱する数ヶ月を経て、ロンドンの熱帯病病院でついに住血吸虫症と診断されました。一連の駆虫薬治療を受けましたが、依然として消耗性疾患は治らず、3ヶ月間寝たきりとなりました。退院しても、さらに3ヶ月間は松葉杖なしでは歩くことすらできなかったと言います。

「アフリカで休暇を過ごしていた時の写真を見返すと『ここで寄生虫が自分のペニスを這い上って行ったのか』と考えて変な気分になります。」とマイケルはThe Sunに語っています。

感染原因は血液中に寄生する住血吸虫属の扁形動物でした。この寄生虫は熱帯や亜熱帯の地域で淡水の中にいることがあり、特にアフリカや中東の一部で多く見つかります。生活過程のほとんどを淡水産巻貝の体内で過ごし、サイクルの終わりごろ、侵入して産卵するための人間の宿主を探します。

住血吸虫は皮膚から侵入し、血流に乗って宿主の体内を移動して肺などの臓器に入ることができるので、必ずしも尿道の中を「這い上がる」必要はありません。恐ろしいことに住血吸虫のいる水域を歩いて渡ったり、そこで水浴びをしたりするだけで感染することさえあります。

膀胱と尿路に特異的に症状が出る場合は、通常、ビルハルツ住血吸虫という種の寄生虫が原因となっており、病名を膀胱住血吸虫症といいます。この扁形動物は感染した宿主の膀胱や尿路の周辺の血管の中で生きることができ、放出した卵は宿主の尿とともに体外へ排出されます。

 尿路にこの寄生虫がいると、血尿やポリープ、それに潰瘍などの治療の難しい合併症をいくつも起こすことがあります。さらに、ビルハルツ住血吸虫は発がんリスクがグループ1(ヒトに対して発がん性がある物質)に分類され、膀胱がんの主要原因となっています。

住血吸虫症は明確にイメージできない奇病のように思うかもしれませんが、意外にもありふれた病です。古代エジプト人が書いた血尿と尿路感染についての記述はビルハルツ住血吸虫に関連している可能性が最も高いとする研究もあります。実のところ、古代エジプトではこの病気を意味する象形文字が使われてさえいました。それは滴を垂らすペニスを象ったものだということです。

reference: IFLscience