ベテルギウスが再び暗く、超新星爆発はみられるか

ベテルギウスのことは無視して戻った方が安全だと思えるほど、赤い巨星が再び暴れはじめました。一度暗くなり、その後明るくなったはずのベテルギウスは再び暗くなり始めています。

さらに、この今回暗くなったのはベテルギウスの輝度変化周期とは一致していないのです。そのためこの星が再度脚光を浴びることとなったわけです。

ベテルギウスはオリオン座にある恒星で、地球から700光年離れたところに位置する1等星であり、最も興味深い星の1つと言えます。というのも800~850万年ほどととても古い星で、実際死の瀬戸際に立っているのです。

太陽質量の10倍から25倍ほどあると考えられて、その人生のほとんどを熱く青白い大質量星として過ごしました。ベテルギウスは少し前に水素を使い果たし、恒星の核に水素を融合させる主系列星としての日々を終えた今、炭素と酸素にヘリウムを融合させています。

ヘリウムが尽きるとより重い元素を融合し、核部分に鉄を蓄積して最終的には超新星となります。しかし、このようなドラマチックな減光は大爆発の直前に起こるとされていて、今はその時ではないのです。天文学者の予測では、その時はまだ何万年も先のはずなのです。

2019年の9月から2020年2月にかけて起こった減光は大失神と呼ばれ、その名のとおり確かにドラマチックで、星の輝度がおよそ25%落ち込みました。

ベテルギウスは規則的な周期で光が変動する半規則変動星です。この周期は最も長くて5.9年、最も短いのは425日です。今回の大失神とおもわれる減光はこの最短周期に近かったのですが、その周期とは関係ないことが判明しました。

天文学者はただのくしゃみのようなものだったと確信しています。ベテルギウスはしばらくの間多くの物質を排出したのですが、これは年を重ねた星にとって珍しいことではありません。

「このようなことは赤色超巨星にはよく見られる現象で、いたって正常なライフサイクルの一部です。」とワシントン大学の天文学者、エミリー・レヴェスク氏は3月に述べています。

「赤色超巨星は時々表面から物質を放出することがあり、チリとして星の周りに凝縮されます。冷やされてチリが散ると、宇宙塵は地球に向かう光を吸収し視界を遮るのです。」

というわけで謎は解けたのです。しかし調査が必要です。大失神ほどのドラマチックさはありませんが、星の輝度変化周期と一致していないのです。

ベテルギウスの次の明るさのピークは…2020年8月から9月にかけてですから、ええと、今頃のはずです。ですから今年徐々に明るくなるはずです。

ベテルギウスの位置は5月から8月初頭にかけて太陽に隠れる位置にあるため星の明るさは実際たどるのは少し難しいのです。しかしNASAの太陽調査プロジェクトSTEREOは地球の背後をたどっている太陽の軌道にいるということは地球からはよく見えない位置にいる間にもベテルギウスを観測することができたのです。

その観測の結果、5月から7月にかけてSTEREOが観測した際に星は輝いていなかったのです。全く逆ではありませんか。

「驚くことに、明るさが増すどころか横ばいにすらならず、5月中旬から6月中旬にかけて~05magの減光が見られた。」とスミソニアン天文学物理観測所のアンドレア・デュプリー氏が代表を勤める科学者チームは Astronomer’s Telegram の中で述べています。

「STEREOによる観測を通して星は1日5mmagのペースで暗くなっていたのです。」

ベテルギウスは再び見える位置に姿を現したので、さらに観測ができるようになるというのは良いニュースです。STEREOの太陽圏イメージャーが可視光線の輝きを記録したのですが、ほかの機器は、例えば太陽活動周期を確認し除外することで温度の変化や、大失神の時に見られたように星のサイズが変化しているかどうかを明らかにすることができます。

最短の425日周期だとすると、ベテルギウスが次に暗くなるのは2021年4月です。しかし既知の周期はさておき、星は予測不可能で複雑なバリエーションに富んでいるためまだよくわかっていないのです。

ですからこの時期尚早とおもわれる減光の正体を明らかにすることで、ゴロゴロと落ち着きのないように見える星の内部で実際は何が起きているのかを理解する一助となることでしょう。そして次々に大質量星の死に際に起こるプロセスも判明するかもしれません。

「2020年から2021年にかけてベテルギウスを追跡し続けることは重要でしょう。」と研究チームは述べています

reference:sciencealert



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