NASAが5月31日、ISS(国際宇宙ステーション)から中性子星を高精度で検出する機器であるNICER(Neutron star Interior Composition Explorer)によりX線撮影された全天の地図を公開。
この写真は驚くべきことに、22ヶ月の月日をかけて撮影されたそうだ。
NASAによると、NICERは国際宇宙ステーションが93分かけて地球を一周する間、宇宙線源を狙って追跡する目的を持った機器なんだそう。そして地球が夜になっているときにNICERを作動させるのですが、1日に8回の撮影チャンスが訪れる。円弧が光っているのは、NICERが撮影ターゲットと次のターゲットとの間を度々同じ道筋で辿るため、その軌跡が何度も重なって光の筋になっているとのこと。
光が集約して強く光っている点の部分は中性子星です。中性子星はその名の通り、電気を帯びていない素粒子である中性子だけでできている星なのですが、ブラックホールになりきれなかった天体とも言うことができます。
太陽などの恒星が寿命を迎える際には、その質量によって最後の姿が変わってきます。質量が小さければ白色矮星へ、大きければブラックホールへとなるのですが、中性子星はブラックホールになりきれるほどの質量を持っていなかった恒星の最後の姿なのです。
ちなみに、太陽は質量からして白色矮星になると言われています。
NASAのサイトでは、強く光っている点が何という中性子星なのか、画面上のスライダーを移動させることによって確認することができるようになっています。
中性子星は出来たばかりの時にはものすごい速さで回転しています。そのスピードは高速の30%近くに達します。
また中性子星に強い磁気がある場合、その磁軸から電磁波が放出されるのですが、2つの磁極を結ぶ線が自転軸とズレている場合、中性子星の自転により電磁波が放出する方向を変えながら放たれるパルサーと呼ばれます。
この電磁波の正体が中性子星によるものと判明するまでは、宇宙人の仕業と真剣に考えていた研究者もいたそうです。