カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の天文学者Tuan Do氏らの研究チームが、天の川銀河中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*」が通常の75倍も明るくなったことを偶然発見した。
研究に関する詳細は、「Arxiv」に8月5日付で掲載されている。
ブラックホールは光をも吸収するため、一切光を放つことのない天体である。しかし、ブラックホールに吸い込まれる物質が放つエネルギーを赤外線やX線で観測することによって、その姿を捉えることができる。
そして今回、UCLAの研究チームが天の川銀河中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*」を観測していた際に、わずか2時間という短期間で通常の75倍も明るくなっているのを撮影することに偶然成功したという。
今回観測されたエネルギーの最大値は、過去に観測された最大記録の2倍であったそうだ。
研究チームは、いて座A*の異常な光度の原因について『周囲を移動する星や星間ガスがいて座A*に近づきすぎたこと』と推測している。星間物質がブラックホールに吸い込まれるときに降着円盤で摩擦が生じ、物質がイオン化されて光が放たれるのだ。
また、Tuan Do氏は自身のTwitterアカウントで「いて座A*で何が起きているのか待ちきれない」とツイートしており、今後の研究の進展に期待がよせられる。
reference: sciencealert, popularscience