極寒、灼熱、宇宙空間などのあらゆる環境で生き残ることのできる最強生物「クマムシ」が、月面で生存している可能性が浮上した。
今年の4月、イスラエルの民間宇宙団体「SpaseIL」と民間企業「イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ」が開発した月探査機「ベレシート」が月面着陸に挑戦した。
しかし、結果は失敗となり探査機は月面に墜落してしまったのだが、探査機に積み込まれていたあるものが今回話題となっている。
月探査機「ベレシート」に搭載されていたのは、「The Lunar Library: GENESIS」である。これには、地球上の動植物や人類の歴史といった様々なデータを収納したDVDサイズのアーカイブであり、人類初の月面図書館としての役割を担おうとしていた。そして、そこには数千匹もの乾燥状態のクマムシも搭載されていたのである。
クマムシは、体長0.05ミリから1.2ミリの小さな体であるものの、自ら体内の水分を放出して休眠状態になることで、摂氏マイナス200度から149度までの環境で生きることができる。さらには、大量の放射線や高圧、真空環境でも生存することのできる最強生物として知られている。
そんなクマムシが、月面上で生存している可能性が高い。ベレシートは墜落によって破壊されたが、Lunar Libraryは衝突の熱と衝撃に耐え、現在も月面に無事な状態で存在すると考えられている。クマムシが今後も生き長らえる可能性は高いのだが、復活させるためには空気と水が必要になるとのこと。
人類が再び月に降り立ち、月面でばらまかれて休眠状態にいるクマムシを復活させる日は来るのだろうか。
reference: livescience, wired