中央アジアの西部にあるトルクメニスタンには、「地獄への扉」と呼ばれている燃え盛る大きな穴が存在する。この大穴は、40年以上前に人間の手によって作られたものなのだ。
地獄への扉が誕生したのは、48年前になる1971年のこと。トルクメニスタンのダルヴァザという村での出来事だった。
当時、ソビエトの地質学者たちがダルヴァザでボーリング調査を行なったところ、天然ガスで満たされた空洞を発見。
しかし、落盤事故が起きて調査装置や宿舎などが置かれていた場所がすっぽりと地下に落ち込んでしまったのだ。その結果、直径70メートルもの巨大な穴が開き、そこから有毒ガスが放出されるのを恐れた研究チームは穴に火をつけたそうだ。
調査チームは数日内に全てのガスが消費されることを願ったが、炎は衰える様子を見せない。48年経った現在でも、その炎はメラメラと燃え続けている。
その後、現地での本格的調査は行われていないため、この穴底にどれほどの天然ガスが埋蔵されているのかは誰にも分からない。
2010年にトルクメニスタンの大統領がこの穴を訪れ、封鎖するよう指示を出したそうだが、穴は未だにふさがれていない。